●トヨタのEV攻勢が始まる。ビジネスとパーソナルユースに対応する超小型EVを市販化へ
トヨタはMEGA WEBで開催される東京モーターショー2019の「FUTURE EXPO」で、新型MIRAIのほか超小型EVを出展します。この超小型EVは、2020年冬頃の発売が予定されています。
一充電で約100kmの走行が可能で、日常の買い物など近所を走る際の足として想定されているほか、毎日同じ顧客などに巡回訪問するような、法人のニーズも想定。ユーザー層はこうした法人だけでなく、免許取り立ての人や高齢者などで、都市部だけでなく、交通公共機関やガソリンスタンドが少なくなってしまっている山間部などのニーズも満たしたいとしています。
トヨタによると、実際に利用する法人、自治体、新たなビジネスモデルを検討する法人などが、10月16日時点で40以上に上っているそう。
超小型EVは、全長2490×全幅1290×全高1550mmの2名乗車で、最高速は60km/h、約5時間の充電(200V)で約100kmの走行が可能としています。リチウムイオンバッテリーが床下に配されていて、リヤにモーターを搭載。3.9mの最小回転半径による取り回しのよさ、フロアがフラット化された掃き出しと呼ばれるフロアによる良好な乗降性が特徴です。
樹脂製の外板ボディは軽量化され、快適装備ではエアコンは装備されないものの、クーラーとシートヒーターを搭載。また、固定式のカーナビは装着されませんが、ポータブルナビやスマホ(ナビ)の装着が可能になっています。
超小型EVとして、ビジネス向けコンセプトモデルも出展されます。こちらは1名乗車で、サイズは2名用と同じ全長2490×全幅1290×全高1550mm。最高速も同じく60km/h、1充電走行距離は約100km、充電時間は約5時間(200V)。このコンセプトモデルは、運転用シートとその隣に休憩などに使えるシートを搭載。
停車中に仕事や休憩できるように、格納式ステアリングが採用され、ノートPCなどが置ける展開式ミニテーブルなどが用意されています。メーターはなく、フロントウインドウに必要な情報が投影されます。また、大きなフロントスクリーンを覆うサンシェード(手動式)も用意されています。
なお、こうした超小型EVは、国土交通省のワーキング検討結果により最高速は60km/h、定格出力0.6kW超、エンジン搭載車の場合は、排気量50cc超660cc以下。全長2.5m以下、全幅1.3m以下、高さ2.0m以下、乗車定員4名以下、最大積載量350kg以下、前面衝突基準は、衝突速度40km/h以下程度とするという条件に満たしています。
(文/塚田勝弘 写真/長野達郎)