来年に販売予定のトヨタ超小型EV。スタッドレスタイヤの装着を意識した現実的タイヤサイズを採用【東京モーターショー2019】

●「ネクスト軽自動車」をEVで実現したモデル。高齢者の足としても使える堅実な設計

トヨタは東京モーターショーに『超小型EV』という名前の車両を出品します。これは小さなサイズの中に人と荷物がしっかり乗せられ、かつ快適に移動できる空間作りをしたものです。

2020年には発売
来年の冬には発売することを予定しています。このためショーモデルにはドアミラーや灯火類など公道走行に必要なパーツはすべて付いていました

非常にざっくり言ってしまえば、軽自動車よりもさらに小さいサイズで「ネクスト軽自動車」をEVで実現したモデル。駐車スペースの小さい都市での集配車等として、地方での高齢者の現実的な足として使われることが想定されます。

タイヤサイズも考えられてます
前後13インチのタイヤサイズは、スタッドレス供給が楽なように、という観点も取り入れられています

全長は2490mm、全幅は1290mmで全高は1550mmとなっています。最高速度は60km/h。AC200Vを使った5時間の充電でフルバッテリーとなり、一回の充電で約100kmを走行できるという設定です。

シート
全長わずか2.5mですが、大人二人の居住空間はたっぷり取られています

全幅は1.3m未満ですが大人が二人しっかり座れる空間が確保されています。

インパネに関しても簡易的なものではなく、普通の乗用車のデザインと質感そのままに幅だけが狭くなったという形です。これなら所有満足度が高そうです。

インパネ
ミニマムなコミューターにありがちな、バイクの延長のような簡素なインパネではなく、乗用車の縮小版といったデザインと質感がポイント

ちなみに空調に関してはエアコンは搭載されませんがクーラーが機能します。冬場に備えてシートヒーターもセットされています。

メーター
センターに配置されるメーターは大きな文字が特徴のデジタルタイプ

タイヤサイズは155/70/13。これは軽自動車に多く採用されているサイズです。これなら冬場のスタッドレス確保も容易いというわけでした。

ラゲッジルーム
シート後方には必要十分なサイズのラゲッジ空間があります。奥行きに関してはハイト系ワゴンのそれと同じくらいはありそうです

この超小型EVは2020年冬頃からの発売を想定しています。

超小型EVにはデザイン含め、突き抜けて未来的な思想はありません。しかし、質感高いインパネや考え抜かれたタイヤサイズなどを見れば、トヨタが本気でEVを普及させようとしていることが伝わってきます。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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