変わったのは名前だけじゃない。乗るとデミオとの違いが沁みてくる【新型マツダ2試乗】

●乗ったらわかるマツダ2の静かさとハンドリング

マツダのエントリーモデルであるデミオがマツダ2へとネーミング変更を行いました。

新マツダ2
グリル内部がドットタイプに

同時に内外で多数の変更が行われましたので実車試乗するとともに紹介します。

グリルの変更
ヘッドライト下までメッキが伸びました

外観ではヘッドライトが変更されまして、従来よりも多い片側20分割のLEDライトとなりました。これによりアダプティブヘッドライト機構は進化してより細かく、対向車への照射カット対応することができています。

グリル内部は従来の水平基調パネルを置くものから、大きな黒いドット調のパターンを並べるものに変更されています。またグリルを取り囲むメッキ部分は左右ヘッドライト下部まで延長しました。

アルミホイール新設計
16インチはスポーク数の多いニュータイプに

テールライトは内部構造とグラフィックを変更しています。

テールライト変更
リバースランプをLEDタイプとするなどテールライトの光り方も変更されました

フロントシートは新設計されたものです。人間の骨盤を立て、背筋を伸ばしてシャキッとした姿勢を作ることができるような構造になっています。

新開発のシート
骨格を新設計して背筋をしゃきっと伸ばして座ることができます

アダプティブクルーズコントロール機能は時速0km/hまで対応するものとなりました。通常、0km/hまで対応するには電動パーキングブレーキを用いるのですが、マツダ2では従来式スティックタイプの手動パーキングブレーキでありながら、これを達成しました。

ただし、車速ゼロでのキープ機能はありませんので、停車を伴うような渋滞時等にはドライバーが確実にブレーキ保持操作を行う必要があります。

実際に試乗してみます。乗ったのは1.5LNAガソリンエンジンを搭載した、15S プロアクティブ Sパッケージ 4WD(車両本体価格:211万2000円)です。

全長は4065mm、全幅は1695mm。全高はシャークフィンアンテナを装着しているこの車両は1550mmです(標準は1525mm)。

エンジン
SKYACTIV-G1.5は110ps

このガソリンユニットの出力は110ps/6000rpm&14.4Kgm/4000rpmというもの。ダウンサイジングターボやディーゼルターボなどに慣れた感覚からすると、最大トルクの発生回転数がやや高めな印象です。

このため、高回転を志向するタイプ、裏を返せば低中速がもの足りないのかと思いきやさにあらず。出足から想像以上のトルクを出してくれますので、運転は非常に楽でした。

また従来のデミオ時代からステアリングにしっかりとした手応えがあるのが特徴でした。が、今回、電動ステアリングの応答性を改善したとのこと。これによって、よりはっきりとした手応えが表現できていることを確認できました。

インテリア
7インチモニターを中心とするマツダコネクトシステムは一部車種を除いて標準装備

またGベクタリング コントロール プラスと呼ばれるシステムも搭載しました。これはコーナーを曲がるときなどにエンジン出力とブレーキをコントロールすることで、自然に回頭してくれるというものです。

ただ、この機構は唐突に効くものではなく、ごくごく自然に介入してきますのでドライバーはほとんど意識することがないはずです(実際に試乗した記者も意識はできませんでした)。

静粛性アップ
吸音材変更で静かになりました

車内はデミオに比べて静かさがアップしています。これは天井部分の吸音材を変更することで従来モデルよりも約35%吸音力がアップしているからなのでした。

デミオはひたすら室内容量拡大を目指したタイプのコンパクトではありません。このためリヤシートやラゲッジルームの空間は必要十分といったものしかありませんが、それを補って余りある、個性あるスタイリングや乗り味を持つのが美点だと思います。

外観も変更
バンパーの下部にクロームの水平ラインが追加されました

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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