● 「体幹チューニング」と「疲れにくいエアロパーツ」でパフォーマンスアップ
スバル・ワークスのSTIがフォレスターのXブレイクをベースにパフォーマンスパーツを装着したモデル。
このモデルのコンセプトは2つ。ひとつは「体幹チューニング」です。クルマのシャシーまわりをキッチリと筋の通ったものとすることで、素直な動きをするモデルに仕上げようというものです。そしてもうひとつのコンセプトが「疲れにくいエアロパーツ」です。
体幹チューニングの要となるのがフレキシブルタワーバーとフレキシブルドロースティフナー、そしてサポートフロントキットと呼ばれるパーツです。フレキシブルタワーバーはタワーバーのセンター付近にピロボールジョイントを配したもので、横方向の動きを抑えつつ上下動は適度に動いて力を逃がすもの。
フレキシブルドロースティフナーは、引っ張り方向に力を掛けてフロントのサスペンション取り付け部を安定させるものです。サポートフロントパーツはクランプスティフナーというクロスメンバーの取り付けに使っている部品をフランジ付きの形状とすることで剛性アップを図ったものです。
エアロパーツはフロントリップスポイラー、フロントサイドアンダースポイラー、サイドアンダースポイラー、エアロガーニッシュ、リヤサイドスポイラーが装備されています。このエアロパーツの開発にはSTIが参戦しているニュルブルクリンク24時間でのノウハウが生かされています。
長時間を走行する24時間耐久レースでは、疲れないことも大切な要素となります。クルマが受ける風を上手に後方に流しつつ、適切なダウンフォースを確保しています。
ツインリンクもてぎの北コースで、ノーマル状態のフォレスターと乗り比べると、パーツ装着車は明らかに安定した走りになっています。
コーナーに向けてステアリングを切り込んで行った際も、一発で操舵量が決まり修正舵が必要ありません。しっかりロールさせた状態で、ステアリングを切ったり戻したりしたときもその反応に遅れがありません。フロントまわりの剛性アップは確実に効いている印象です。
路面のちょっとした変化なども確実につかむことができるようになっているところも非常に注目。クルマの余分な遊びが消されている印象です。
コースが短めだったこともあり、エアロパーツの効果は体感できるほどではありませんでしたが、試乗時に感じた安定感はエアロパーツと相乗効果もあるはずです。
(文・諸星陽一/写真・長野達郎)