●帰省時など日常使いに十分に対応できるラゲッジの容量を確保
全長4.4m、全幅1.8m、全高1.55m以下のボディサイズにより都市部などでも扱いやすく、CX-3未満、CX-5以上というディメンションが与えられているMAZDA CX-30。しかし、デザインを優先させた印象を受けるクロスオーバーSUVだから実用性はどうなの? という疑問もありそうです。
ここでは、乗降性や居住性、積載性などの使い勝手をチェックしていきます。
乗降性を決める要素のひとつであるヒップポイントの高さを600mm、サイドシルからの距離を480mm以下に抑えることで、日本人やアジア人体格が乗降時に筋力への負担を感じない範囲に収めたそう(最大筋力50%以下)。グローバルモデルであるCX-30ですから、欧米人体格が筋力への負担を感じない範囲にも収まってきます。
気になるキャビンは、Cセグメント級SUVにふさわしい広さで、前席に身長183cm、後席に身長184cmの乗員が無理なく、つまり大人4人がくつろげる空間を確保。
前席の左右席間距離は、CX-3よりも50mmワイドになり、CX-5と同じ740mm。ドアアームレストとリヤセンターコンソールのワイド化により高い快適性も実現しています。前席アームレストの幅はCX-3よりも15mm拡幅されていて、ゆったりした着座感が得られます。
身長171cmの筆者が前後席に座ると、驚くほどの広さではないものの、BセグメントSUVのCX-3で泣き所だったリヤシートの狭さは十分に払拭されていて、まさに1クラス上の余裕を感じさせます。
後席頭上は1540mm全高からも分かるように広大とはいえませんが、フロアの高さを抑えることで最低地上高をCX-3の160mmから15mmアップの175mmまで高めながらも、実用的なスペースを確保。筆者の身長であればロングドライブでも快適に過ごせそう。
なお、前後席距離間はCX-3よりも26mm長くなっています。後席の左右席間距離も前席同様にCX-3よりも50mmワイドに。
さらに後席は前席同じように、骨盤を立たせて背中がS字姿勢が得られるランバーサポートの採用や適切なトルソ角、前席座面下に足が入る姿勢になります。後席で足を伸ばすと、つま先側が前上がりになるフロア構造により、楽な姿勢を確保できるわけです。
ラゲッジは、大開口のテールゲートに加えて、荷室長をCX-3よりも伸ばし、1020mmという開口幅を達成しています。グローバルサイズの大型ベビーカーの積載が可能で、67〜70Lのスーツケースが余裕を残して入り、70〜74Lのスーツケースも2つ積載できます。荷室容量は430L(VDA)。
マツダによると、折りたたみ式のベビーカー1台、機内持ち込みサイズのスーツケースが2つ、大人用バッグが1つ、子ども用バッグが1つ入るスペースとすることで、帰省時など日常使いに十分に対応できるとしています。
ほかにも、ラゲッジの開口高を731mmという大きな荷物や重い荷物でも容易に出し入れできる高さに設定しています。これにより、荷物を持ち直すことなく1モーションで積載が可能。CX-3の開口高は786mm、CX-5は741mm。
ほかにもテールゲートのトリム形状を荷物と干渉しないように、外側に出すなど、多くの荷物を積む際に「積めた!!」と感じられる工夫が凝らされています。
(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)