日産の意地を感じさせる自社製ターボエンジンの気持ちのいい走り【新型スカイライン試乗記】

●貴重な存在となった国産スポーツサルーン。街中でも爽快な走りが楽しめる新型スカイライン

今回のマイナーチェンジにより、インフィニティから日産ブランドに変わったスカイライン。ターボエンジンも従来のダイムラー製の2.0L直列4気筒直噴ターボから、米国に投入済みの自車製・新型3.0L V6ツインターボエンジン「VR30DDTT」型に切り替わっています。

日産スカイライン
マイナーチェンジを日産スカイライン・ターボの走り

ターボエンジン仕様のGT系は、427万4640円〜という価格帯のエントリーモデルという位置づけですが、非常に魅力的なモデルに仕上がっています。最上位モデルには400PS超となる「400R」が控えています。

日産スカイライン
3.0L V6ツインターボの「VR30DDTT」型エンジン

水冷インタークーラー、新ターボシステム、電動VVT(可変動弁システム)、ミラーボアコーティングシリンダーブロック、エキゾーストマニフォールド一体シリンダーヘッドなどのキー技術を採用した同エンジンは、400Rが405PS/475Nm、V6ターボのGT系が304PS/400Nmというスペック。

新型スカイライン
GT(ターボ)系は、304PS/400Nmというアウトプット。トランスミッションは7AT

直列4気筒ターボと比べると「400R」ではないV6ターボの「GT」でも滑らかに回転を上げていき、心地の良い加速フィールがより堪能できます。吹け上がりの良さも印象的で、FRらしい素直な回頭性を披露するスカイラインとのマッチングは抜群。高速道路ではもちろん、街中でも爽快な走りが楽しめます。

新型スカイライン
新型スカイライン(ターボ)のインパネ

シャーシも進化しています。DAS(ダイレクト・アダプティブ・ステアリング)の専用チューニングに加えて、IDS(インテリジェント・ダイナミック・サスペンション)のハンドリングは、とくに高速域の旋回時に冴えを見せてくれます。

ターボモデルには「プロパイロット2.0」は搭載されていないものの、マークXが生産を終えるなど正統派の国産スポーツサルーンが減っている中、貴重な存在といえそう。ハイブリッドではなく、気持ちのいい走りでターボ仕様を指名する手も十分アリといえそうです。

(文/塚田勝弘 写真/井上 誠)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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