●「Enliten(エンライトン)」は約20%の軽量化、転がり抵抗を約30%低減
年々厳しくなる燃費規制により、燃費や電費のさらなる向上が求められています。そんな中、ブリヂストンは車両のハンドリングなどの運動性能、タイヤライフに繋がる摩耗性能を維持しながらタイヤ重量を軽量化し、タイヤの転がり抵抗を大幅に低減できる新技術の「Enliten(エンライトン)」を開発したと発表しました。
同社は、BMW i3にOEタイヤとして納品している次世代低燃費タイヤ「ologic(オロジック)」を実用化し、タイヤ接地面を見える化する「ULTIMAT EYE(アルティメット アイ」など数多くの新技術開発に注力しています。
同技術は、3次元形状革新サイプによるパターンブロック挙動の最適化、最新シミュレーション技術を活用した接地形状の最適化により、運動性能、タイヤライフを維持しながら、タイヤに使用する部材を削減。こうした技術により、従来の乗用車用タイヤに比べて約20%の軽量化、転がり抵抗を約30%低減することを可能にするそう(タイヤサイズ225/40R18にて比較)。
なお、転がり抵抗の約30%低減は、日本自動車タイヤ協会(JATMA)の「タイヤのLCCO2算定ガイドライン(ver.2)」に準じ比較したもの。また「転がり抵抗係数」に関する詳細なデータは、タイヤ公正取引協議会に届け出てあるとのことです。
地球温暖化や資源枯渇は、環境面のみならず、自動車などの産業界においてもグローバル規模の課題となっています。欧州では、自動車から排出されるCO2を削減するために、自動車メーカーに対してより厳しいCO2削減目標を設定。
今回発表された「Enliten」は、タイヤ革新技術として省資源化と転がり抵抗の低減により、ガソリン車の走行時にタイヤ起因によるCO2排出量を約30%削減することを可能にし、EVの1回の充電で走行できる距離(航続距離)を延ばすことを通じて環境負荷低減とモビリティ社会に貢献するとしています。
(塚田勝弘)