エンジンスタートボタンを押すとメーターの上部からヘッドアップディスプレイのモニターがせり上がってきます。ちなみにこのヘッドアップディスプレイはエクリプス クロス全車に標準装備ですが、国内の三菱車としては初めての採用でした。
エクリプス クロスには1.5Lの直噴ガソリンターボエンジンもラインナップされています。これは150psの最高出力と24.5kgの最大トルクを持っています。
これに対して2.2Lのディーゼルターボエンジンは145ps&38.7kgmというスペックとなっており、出力に関してはガソリンに5ps譲りますけれどもトルクに関しては実に60%増しと言う大盛り状態なんです。
車外で音を聴いている際にはディーゼル特有のサウンドがやや大きめに聞こえていましたが、乗り込んでしまえば音のレベルは(当然ですが)大きく下がります。また、音質自体も低いものになっており好印象です。
一般道を60km/hで巡航している際のエンジン回転数は1300rpmほど。一定速度での巡航体制に入ってしまえばエンジン音はほとんど聞こえなくなります。
ステアリングコラムに装着されたパドルシフトを使って8ATをマニュアル操作でギヤダウンしつつ、加速をしてみます。重低音の効いたサウンドを放ちつつ、4N14型ディーゼルターボエンジンはエクリプス クロスの速度をぐいぐいと上げていきます。
実はこのディーゼルモデルは車重が1680kgと、ガソリンモデル対比で130kgほど上がったのですけれども、その重量ハンデを補って余りある加速力の強さが身上です。
ただし名誉のために付け加えておくと、エクリプス クロスのガソリンモデルは明確に元気な加速を見せてくれる、くっきりスポーツ車です。むしろその速さ感を上回るディーゼルモデルのほうが例外的だと言ってもいいでしょう。
なお、暴力的なエンジンパワーに車体が負けていると運転が怖くなったりするのですけど、エクリプス クロスのディーゼルではそういった心配は無用です。ストラット/マルチリンク式のサスペンションが、上がったトルクに対応した専用セッティングになっていることで、走行安定性を大きく高めているからです。
エクリプス クロスのガソリンエンジンモデルは、シュンシュンと吹け上げるエンジンときびきびと反応するシャシーでライトウェイトスポーツのような印象を与える車でした。
一方で今回追加されたディーゼルエンジンモデルは、出力特性や車重、そしてサスペンションセッティング変更によって「速いけれども大人なフィーリング」となったことが印象的でした。
(写真・動画・文/ウナ丼)