ルノー・日産連合がグーグル系ウェイモと無人運転の完全自動運転分野で連携へ

日産自動車はガバナンス強化を目的に指名委員等設置会社に移行することになっていますが、指名、監査、報酬の3委員会のポストを巡ってルノーと日産の間に駆け引きが続いていたようです。そうした状況下でもルノーと日産は「CASE」時代に対応すべく、新たな連携強化を図る発表を行っています。

ルノー・日産連合とアメリカのアルファベット(グーグル系)傘下のウェイモは、ドライバーレス・モビリティサービスに関する独占契約を締結したと発表しました。

同独占契約の注目点は、ルノー、日産、ウェイモの3社がフランスと日本において、乗客、配送向けのドライバーレス・モビリティサービス事業に関して、あらゆる面で実現の可能性を検討するというもの。

同契約では、各社の強みを持ち寄り、市場機会の分析、ドライバーレス・モビリティサービスに関係する商業的および法規面の課題を共同で調査することで、より知見を高めることを目指すとしています。

ルノー・日産自動車・三菱自動車連合は、乗用車と小型商用車の全セグメントにおいてグローバルに事業展開を行い、幅広い製品ラインナップを用意。一方、ウェイモは、米国の公道で1000万マイル以上の自動運転走行を達成しています。この両社のパートナーシップは、ドライバーレス、モビリティサービス事業の開発に非常に適したものになるそう。

今回の合意は、長期的かつ収益性のあるドライバーレス・モビリティサービス事業の開発に向けた第1歩としていて、今回は、まずルノーと日産自動車それぞれのホームマーケットである、フランスと日本でその可能性について検討を行い、その後、中国を除く他の市場への検討に移行。

ルノーと日産自動車は、さらなる事業化検討を進めるため、ドライバーレス・モビリティサービスに特化したアライアンスの合弁会社を、フランスと日本にそれぞれ設立する予定としています。現時点では三菱自動車の参加はまだ表明されていません。

ウェイモのジョン・クラフチェックCEOは「我々は自動運転技術を革新的なパートナーと共にグローバルに展開したいと思っています。グローバルに事業展開しているアライアンスとWaymo Driverによって、今後、フランス、日本、その他の国で、人とモノの運搬を安全に行うための革新的なモビリティ・ソリューションの提供が可能となることを期待しています」としています。

ルノーのティエリー・ボロレCEOは「未来のモビリティのストーリーは、ドライバーレス・モビリティサービスに対する展望を切り開く、アライアンスとウェイモのような企業間の連携により、共同で推進されます。我々にとっての主要な戦略的市場でドライバーレス・モビリティ事業の潮流の最前線に立つことで、今回のパートナーシップが、新しいシェアモビリティサービスを提供し、クルマのエコシステムを豊かにするという我々のコミットメントを後押しするものと、確信しています」とコメント。

日産の西川廣人社長兼CEOは「同社は、お客さまの行動変化とそれに伴うビジネスの進化に向け、中期経営計画「Nissan M.O.V.E. to 2022」で一貫した取り組みを進めており、ドライバーレス・モビリティサービス事業への早期参画を目指しています。自動車業界に関する知識に加え、アライアンスを含めた戦略的パートナーシップの経験を生かし、ドライバーレス・モビリティサービス分野のリーダーと認識されているウェイモとともに、お客さまへの新たな価値や選択肢を提案できるよう、取り組んでいきたいと思います」と、ドライバーレス・モビリティサービス事業への早期参画を表明しています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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