2019年ル・マン勝利でトヨタが2018-2019WECスーパーシーズンを制覇。1000馬力のロードスポーツカー開発も本格始動!

■中嶋一貴が日本人初のWECチャンピオン!

●ロードバージョンGRスーパースポーツの開発が進む

2019年のル・マン24時間耐久レースにおいて、トヨタはワンツーフィニッシュを飾りました。ライバル不在とはいえ、1000馬力のハイブリッドレーシングカー2台を24時間走らせて完走させるというのは、けっして生半可なことではないでしょう。そして、8号車のドライバーの一人である中嶋 一貴 選手は日本人として初めてWEC(世界耐久選手権)チャンピオンとなりました。

さて、これによってWEC2018-2019年スーパーシーズンは終了したのですが、すでに次シーズンへの動きは始まっています。トヨタは2019-2020スーパーシーズンもこれまで同様LMP1クラスへの参戦を発表しています。それだけではありません。さらに先、レギュレーションが大きく変わる2020-2021スーパーシーズンへのチャレンジについても公式リリースを出しています。

2020-2021スーパーシーズンへのエントリーマシンは、GRスーパースポーツ(ロードカー)をベースとしたプロトタイプになる予定。GRスーパースポーツについては2018年の東京オートサロンにおいてトヨタGAZOO Racingとして開発が始まったことを発表、その試作機といえる車両を展示しています。市販スーパースポーツカーをベースにWECを戦うというわけです。

開発が進むGRスーパースポーツのロードバージョンについては、ル・マン24時間に合わせてトヨタ自動車の豊田 章男 社長と友山 茂樹 GAZOO Racingカンパニープレジデントによるテストドライブの様子を写した映像も公開されています。吐く息が白いことから、冬場のテストであることが想像できる映像では、小林 可夢偉選手の姿も確認できます。

また、この映像ではGRスーパースポーツのインテリアもチラリと公開されています。サイドミラーはフェンダーに置かれていますが、バックミラーはレーシングカー同様のカメラタイプ。カーボン素材がそのまま見えるスパルタンなコクピットは、はたして市販時にどのように仕上げられるのでしょうか。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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