EV専用に開発、設計された新型インバーターは、高出力密度化により動力性能の最大化に貢献するシステム。 新世代の小型冷却パワーモジュールを搭載により同社の従来品から約160%の高出力密度を実現したとしています。 インバーターやモーターからなる「e-Axel」などのEV向けの技術だけでなく、今後のクルマにもハイブリッドなどの内燃機関、レンジエクステンダーなどが当面欠かせない技術になります。
ほかにも、同社ブースでは、HEV(ハイブリッド車両)やPHEV(プラグインハイブリッド車両)搭載にも適した「高効率エンジン燃焼制御システム」として、 走行時の耐ノック性を向上させ、圧縮比を最大化する可変圧縮比制御システムも披露。エンジン再始動時の低NVH化などに貢献する電動VTC(Valve Timing Control)などの技術や製品も紹介されています。
また、「CASE」というキーワードの1つである「オートノマス」では、低速車両追い越しなどの自動走行システム、さらに自動運転システムのユースケースのひとつとして、 走行中の安全性や快適性の向上を目指して開発されている技術も披露。これは、細かな路面形状を高精度に検知できる車載用ステレオカメラ向けの技術によるもので、路面状態に応じてダンパーを制御して良好な乗り心地を実現する技術になっています。ほかにも、レベル3を想定したブレーキ、ステアリング、パワートレインの協調制御による滑りやすい路面での走りを支える「VMC」を紹介。
さらに、同社が得意とするステレオカメラを使い、障害物を検知し、倒れた障害物(実験ではパイロン)を回避する技術なども披露されています。
(文/写真 塚田勝弘)