【ランボルギーニ・ウルス試乗】SUVとしての魅力・使い勝手もしっかりと持つ、不思議な「スーパーカー」SUV

●加速感、そしてエキゾーストノートは紛れもなくスーパーカー

ランボルギーニといえば、フェラーリと並ぶイタリアンスーパーカーブランドとして有名な存在です。そんなランボルギーニからもSUVが発売されています。それが「ウルス」です。

ランボルギーニはかつてチーターやLM002というクロスカントリー4WDが存在していましたので、広義ではかなり古くからSUVを製造していたメーカーです。現代的解釈のSUVとしては、ウルスがランボルギーニ初のSUVということになります。

ウルスのプラットフォームはフォルクスワーゲンのトゥアレグなどと共通性のあるものですが、エクステリアデザインからはまったく想像できません。エクステリアのデザインはエッジの効いたシャープなもので、カウンタック以来連綿と受け継がれるランボルギーニそのもののスタイルです。

搭載されるエンジンはV8の4リットルで、最高出力は650馬力・最大トルクは850Nmにもなります。センターコンソール上の赤いキャップを持ち上げてイグニッションスイッチを操作すると荒々しくエンジンが息を吹き返します。パドルシフトを操作して発進。アクセルを踏んだ瞬間に、即制限速度です。ウルスの加速感、そしてエキゾーストノートはSUVのそれではなく、紛れもなくスーパーカーのものでした。

路面の継ぎ目などはある程度拾いますが、乗り心地はけっこういいものでした。エキゾーストノートは車内響きますが、風切り音やタイヤからのノイズなどはよく抑えられていて、プレミアムスーパーカーらしい雰囲気が作られています。試乗後にクルマをよく見ると、インナーフェンダーには起毛材が使われていました。

試乗車はリヤシートが左右分割の2名の4名定員仕様でした。リヤシートが3名分の5名定員モデルもありますが、雰囲気としては4名定員モデルのほうが「らしい」でしょう。ビックリするのはラゲッジルームが広くしっかりしていることでした。日本のSUVはどんどんラゲッジルームが小さくなっていますが、ここまでのスーパーSUVでも、しっかりSUVらしさを備えているところには感心しました。

(文・写真/諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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