EV充電を無料に!欧州電力会社が「V2G」実現に向け、日産に協力体制

欧州では、ドイツのエネルギー大手エーオンとフランスの電力公社EDFが、EVのバッテリーに蓄積された電力をグリッド(電力網)に売り戻す「V2G(ビークルツーグリッド)」サービスの実現に向け、日産自動車に協力しているそうです。

日産では電力が逼迫していない際にEVを充電、電力網に負荷がかかっている際には「V2G」機能により、EVのバッテリーに蓄積した電力を売り戻すことにより、実質的に無料で充電が可能になると考えています。

EVの1日当たりの利用時間は数時間程度のため、非利用時に電力網の受給バランス調整を目的にEVユーザーのバッテリーを活用しようというワケです。

一方、ロイターによると、欧州の自動車各社はEVユーザーの利便性の観点から、V2Gよりも「急速充電性」を重視していると言います。

この場合、EVの充電ピーク時に電力網が不安定化する可能性があるため、欧州の電力会社は自動車各社に対し、日産に倣うよう働きかけているそうです。

欧州でV2G普及の大きな障害になっているのが日本のEV充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」でしかV2Gがうまく機能しないという点。

欧州では10年後に数百万台のEVが走行すると予測されていることもあり、V2G機能による「電力売り戻し」が可能な急速充電器の開発を急いでいるようで、実現すれば、実質的にEVの「無料充電」が実現する可能性が高まることになります。

Avanti Yasunori・画像:NISSAN)

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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