【クリッカー・オブ・ザ・イヤー2018座談会】ジムニー・センチュリーの高得点に対してドイツ車は全般的に低調

【商用車のミライを変える、かもしれないN-VAN】

編:スポーツカーで得点が入ったのが2台ともフランス車というのが興味深いですね。それでは、ホンダのN-VANとクラリティPHEVに点数を入れた理由をお願い致します。

E:7点をN-VANに入れました。私以外どなたも入れていませんけど、素直におもしろかったからです。S660があるから流用すると6速MTになってしまうのでしょうけど、ギア比も変えてあります。そしてFFにした段階で、他の軽バンと勝負にならないのがわかっているから、個人ユースやレジャーユースを押し出している。実際これからどうなっていくのかが楽しみですし、新しい提案をしたので7点と高く評価しました。クラリティPHEVの1点はあまり意味がありません。1番の理由は生まれて初めて、モーターをエンジンがアシストするという感覚を感じましたので1点。EVモードで再加速するとき、エンジンが掛かって加速を足すのが楽しかったです。

A:N-VANのピラー内蔵というのは、色々と不具合もでてくるのかもしれないけど、別に速い速度で走るわけではないから、イイと思いますけど。もし走行性能に問題があったとしてもパッケージングが優れていれば、それはあり。ちょっと日本のクルマは走行性能だけで評価されすぎていると思います。もっとパッケージングを見て、どういうときに使われるのか。もちろん安全性が低いのはダメですけど、ちょっと坂道を上るのがつらいけど、こんなに荷物が積める!というのは大きなメリットです。

D:もし将来、軽バンのハイゼットとかキャリーがFFベースに変わって、スズキの専用ラインが必要なくなったとなれば、N-VANがエポックメイキングだったとなって将来高く評価されるはずです。N-VANきっかけで軽バン変わったとなるとマイルストーン的な意味は高いと思います。

編:皆さんありがとうございます。COTYでイヤーカーに輝いたボルボXC40にどなたも点数をいれておりませんが、ご意見はいかがでしょうか。

D:私は1点をV60に入れました。最近のボルボの中では1番バランスがいいボルボらしいと思います。曖昧さはありますが、高速を運転していても快適ですし、このメーカーはステーションワゴン作りが上手でバランスがいいと思います。

E:この結果を見ると、本家のCOTYはもしジムニー/ジムニーが出ていたら、ボルボXC40はやはりインポートが限界だったかもしれませんね。やはりSUVで点数入れるならジムニーに入れようという人が多かったのではないでしょうか。

C:本来候補だった国産SUVのジムニー/ジムニーシエラ、フォレスターが辞退したために、SUV票がすべてXC40に流れたということかもしれません。

A:でも10点を1番多く獲得したのはカローラスポーツ。去年のXC60もそうだったですが、ボルボはまんべんなく点数を獲得してイヤーカーとなりました。ちょっと繰り上がり感もありますし、そろそろ選考方法も考え直すタイミングなのかもしれませんね。

【ニューモデルには「新しい提案」が必要】

編:皆さんありがとうございます。最後に2018年もたくさんドイツ車が登場しましたが、ほとんど点数が入っていませんが、最後にこれについてご意見をください。

B:最近のドイツ車はインパクトがないと思うのです。悪い部分はないですけれど、ウルスのように凄いと感じるインスピレーションがない。そういうわかりやすさがないと思うのです。

D:Gクラスはウルスとかカリナンがなければ、点数が入ったと思いますが、ウルスやカリナンと比べると、インパクトがないように感じます。

A:本当はAクラスの音声認識技術は新しく始めたということで、評価したほうがいいと思いますが、クルマの本来の性能に関係ないですからね。そういうのを高く評価する人たちもいますけど、モータージャーナリストはそこだけで評価してはいけないのではないかと思います。やはり、クルマの本来の性能を評価し、その上でそういった新技術の評価をすべきではないかと思います。

C:何となく、先進デバイスは凄いと思いますが、もう何だか当たり前になってしまっているので、凄いと感じなくなっています。ちょっと麻痺しているのですかね。

E:ドイツ車全般に言えることですけど、新しい提案が少ないですよね。オールドファンのために作っているような感じがあります。

編:皆さんありがとうございました。色々と世間を騒がせたニュースもありましたが、来年もたくさん良いクルマが出ることを祈ってお開きとしたいと思います。

(クリッカー編集部)