【新型VWパサート・オールトラック試乗】パサートでベストチョイスといえるトータル性能

パサート・オールトラックに搭載されるのは、ほかのパサートTDIモデルと同じく190ps/400Nm版の「DFC」型で、190ps/3500-4000rpm、400Nm/1900-3300rpmというアウトプットを得ています。

ティグアンTDIやゴルフ・トゥーランTDIに積まれる150ps/340Nmと比べると、中・低速域から高速域のあらゆる領域で非常に力強く、ディーゼルエンジンに期待されるトルク感はもちろん、高速道路の流れに乗って走る分には、パワーフィールも存分に感じられます。

乗り心地もヴァリアントよりもストローク感があり、パサート・シリーズで最も好印象を受けました。セダン、ヴァリアントともに、基本的には、グレード(タイヤサイズ)を問わず、微細な揺れを吸収しきれていないのが気になっていました。新型パサート・オールトラックは、多少こうした傾向はあるものの、ボディの揺れが抑えられていて、足の動きもいくらかゆったりしているように感じられます。サスペンション形式こそ同じであるものの、専用セッティングが施されているはず。

さらに、フォルクスワーゲンに期待する直進安定性の高さも美点で、一般的なSUVよりも背が低い分、高速道路の強風下でも安心して走行できます。509万9000円〜という価格設定もあってパサート・ヴァリアントシリーズではそれほど数は出ないかもしれません。それでも、プラグインハイブリッドのGTEを含めて走りの面ではベスト・バランスといえる仕上がりになっています。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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