当初はミニマムの22周前後でタイヤ交換が必要かもしれないと言うことで予定していたピットインですが、思いのほかタイヤのもちがよく、なおかつSC導入でタイヤを温存できたことでSC解除後もすぐにはピットインせずにそのままレースを続行。
しかしSUBARU BRZ R&D SPORTと10号車GAINER TANAX triple a GT-Rと絡んでのバトルとなり、ここは先にタイヤ交換をして大津弘樹選手に交代すると言う作戦をとり25周目でピットイン。
タイヤは4本交換。ほぼ同時にピットインしたSUBARU BRZ R&D SPORTよりも早く作業を終えてのピットアウトでライバルよりも前に出ることができ、17位でレースに復帰します。
ライバルチームがすべてピットインを終えるころには4位というポジションを得ていました。タイヤのライフは充分にあると判断した道上選手は無線で大津選手に「そのまま行け!」と指示。ラスト8周には3位を走る11号車GAINER TANAX GT-Rの背後に迫ります。
ラスト5周で大津選手はスリップストリームに入るほど距離を縮めると、ぴったりと後ろについてプレッシャーを与えていきます。
そしてラスト4周目に入りストレートエンドまでスリップストリームから抜け出すのをこらえ、第1コーナー進入ギリギリで前に出ます。3位浮上!この様子をモニターで見ていたピットは大歓声!
そしてフィニッシュ! 3位でチェッカーフラッグをくぐり抜けていくModulo KENWOOD NSX GT3!
サインガードでは道上選手が手を振って3位を祝福。そしてModulo KENWOOD NSX GT3がストレートを走り去っていくと満面の笑顔で鄭監督と固い握手を交わします。
レースクイーンの皆さんも感動の涙。
開幕当初はQ2進出も出来なかったModulo KENWOOD NSX GT3。調子が上がってきたであろう8月の富士500マイルではフリー走行中のクラッシュでマシンを廃車するというアクシデント。
その後に奇跡の新車導入でSUZUKA 10HOURSに参加しデータを収集すると、第6戦SUGOではスリーワイドフィニッシュで4位となり、そしてここオートポリスで表彰台を獲得!新型マシンをここまで成長させたのはチーム力の勝利と言えるでしょう。
そんな経緯が評価されたのか3位のトロフィーのほかにJ SPORTSベストパフォーマンス賞が授与されると言うサプライズも起きました。
次戦は11月10〜11日、いよいよ最終戦のもてぎ。大津選手は「最終戦は優勝で締めくくりたい」という大胆発言も飛び出すほど調子を上げてきたModulo KENWOOD NSX GT3。本当に優勝で締めくくってもらいたいと思うのは筆者だけでしょうか?
Modulo KENWOOD NSX GT3の大健闘を期待しています。
(写真:松永和浩、高橋秀彰 文:松永和浩)