物流企業などエンドユーザーの事業効率向上に的確に貢献する幅広いシステムを、商用車メーカーに提供するZF

「ドライビング・トゥモロー」のテーマのもと、商用車の将来の姿を各社が提案している第67回ハノーバー・モーターショー。「メガサプライヤー」の一角、ドイツのゼット・エフ・フリードリヒスハーフェン社(ZF)も広いブースに電動化や自動運転関連の製品・技術を多く展示しています。同社の商用車戦略について、アジア地域の完成車メーカー向け事業を統括するクリスチャン・メイヒレ氏に聞きました。

統合システムを一括供給可能なZF

— ZFの商用車事業の戦略について教えて下さい

クリスチャン・メイヒレ氏(以下、CM):商用車部門においては、まず商品ラインナップの豊富さを生かしてビジネス拡大を図っています。アクスルシステム、シャシコンポーネンツ、パワートレイン関連、ステアリング、キャビン用を含むあらゆる種類のサスペンションなど、ZFは小型から大型商用車に必要な、ほぼすべての機能を完成車メーカーに供給する能力があります。

商用車向けアクチュエータの例

また、自動車業界では電動化や先進運転支援システム(ADAS)といった新しい機能に対する要求が高まっています。こうした新しい分野については、乗用車部門を含むZFグループ全体で大規模な投資を行っています。ハノーバー・モーターショーでは、カメラやレーダーなどのセンサーセットとアクチュエーターが、ソフトウェアで電気的に接続されてシステム化された製品をZFブースに展示しています。さらに、電動化に関しても、商用車メーカーの要求に対応できるバラエティ豊富なラインナップを用意しています。

Electric Mobility製品
インバータ

— 全体的なトレンドは乗用車と同じ方向に向かっているわけですね。では、乗用車と商用車でビジネスを行う上での違いはありますか?

CM:運送会社や物流会社にとっては、クルマは会社の利益に貢献しなくてはなりません。従って、当社製品の全ては(ZF技術を搭載した商用車を通して)、各企業の効率化の向上に貢献する事が第一に求められます。

前方レーダーは既に乗用車には普及し始めていますが、商用車では事業者が具体的なメリットを感じなければ採用してもらえません。従って、例えばドライバーへの負担が軽くなり、人手不足の解消に役立つなど、業務効率の向上を低コストで実現する工夫が必要です。ADASがドライバーの経験不足をカバーできる事を明確に示す事ができれば、物流企業などもメリットを感じてくれるでしょう。

Ibeoと共同開発のLiDARなどセンサーセット

バスやトラック会社にとって、燃料費を除けば最大のコストはドライバーの人件費なのです。経験豊富な運転手の雇用には費用がかかります。ヨーロッパでは、4時間続けて運転したら休憩を取る事が法律で決められています。また、8時間乗務したら仕事を終了しなくてはなりません。少し先の話になりますが、もしドライバーが運転席に乗ったまま休憩を取る事ができれば、今よりも長時間の乗務が可能になるでしょう。そうなれば、さらに大幅なコスト削減につながります。

見て、考えて、動かす

— 最後に、ZFの強みを教えて下さい

CM:当社の商用車事業部は、完成車メーカーとの長期にわたる密接な関係を築いています。これは他社と比較した場合の大きな強みです。さらに技術開発においては、乗用車だけでなくフォークリフトなどを扱う産業機器部門、農業機器や建設機器関連部署などと緊密に連携を取っています。ZFグループ全体の専門知識に我々の商用車に関するノウハウを統合する事で、効率的で適切、かつ迅速な商用車向け製品開発を行える体制をとっています。乗用車向けの電動化技術やADASは、必要に乗じた調整を行えば、基本的に同じものがバス、トラック、トラクターなどあらゆるものに応用できるわけですから。

各種コントロール。左がZF ProAI

また、グループ全体の製品ラインナップの豊富さで、サプライヤーとしてではなく「システムパートナー」として、エンジンやシートなどを除く、ほとんどすべてに対応する統合システムを提供する能力もZFの強みです。一方で、細かな対応もできる柔軟性も備えています。商用車メーカーは、小規模な企業も合わせると世界中に数千社も存在しています。当社はお客さまのニーズに応じ、すべての車両システムを提供する事も可能です。

ZFの大型商用車用ターンアシスト用センサー

一方、大手のお客さまには部品単位での供給も可能です。この様な柔軟性に富んだ対応ができるのも、ZFならではだと思います。

商用車向けステアリングシステム

 

クリスチャン・メイヒレ氏

商用車テクノロジー事業部セールス・ディレクター

24年間、ZFで商用車の専門家として販売部門を中心に要職を歴任。直近では、最重要市場の一つである中国を含むアジア市場のバス関連ビジネスを統括。現在は、日本や中国などアジア太平洋地域に本社のある商用車メーカーに対して、セグメントを問わず商用車向けの全ビジネスに対してグローバルに全責任を負う

 

(Toru ISHIKAWA)

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