車両重量がわずか850kg!新素材「しなやかなタフポリマー」を採用したコンセプトEV登場

クルマの電動化が進むなか、新軽量素材の採用により車両重量を大幅に低減したコンセプトEV「アイトップ」(ItoP)が登場、9月28日に都内で公開されました。

内閣府がメーカーや研究機関等と進める革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」の一環で、東京大学 伊藤耕三教授の指揮のもと、東レ/住友化学/ブリヂストンが共同開発した新素材「しなやかなタフポリマー」を車体に採用。超薄膜化と強靭化の両立により、車両重量850kgと従来車の約6割程度の重量を実現しています。

モーター等の駆動部分やバッテリー以外、金属やガラスをいっさい使用しておらず、車体部分に東レが開発した炭素繊維強化樹脂を使用、ウインドウ部分に2種類の樹脂を元にした住友化学の透明樹脂材料を、タイヤにはブリヂストンが開発した亀裂が入り難い薄肉ゴム材料をそれぞれ使用。

「アイトップ」は約9割が樹脂材料で構成されており、伊藤教授によると、同技術の10年後の実用化を目指しているそうで、今後は材料コストを抑えるべく、安価な製造技術の開発にも取り組むそうです。

Avanti Yasunori

【関連記事】

軽量化でGFPP材採用の「ミライース」兄弟。スバルからは新型「プレオ プラス」として登場
https://clicccar.com/2017/05/15/472031/

トヨタ、次世代TNGAエンジンを開発か?さらなる軽量化、燃費改善を目指す
https://clicccar.com/2017/04/27/467263/

クルマの軽量化ニーズ増加で「東レ」が炭素繊維事業拡大!
https://clicccar.com/2017/02/24/448357/

【関連リンク】

SHINAYAKA Polymer(ImPACT)
https://www.jst.go.jp/impact/shinayaka/single/index.html

東レの新素材「しなやかなタフポリマー」を活用したコンセプトカー
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20180928-2/index.html

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
続きを見る
閉じる