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さて、アウトランダーPHEV 2019年モデルは何が変わったのでしょうか。
エクステリア&インテリアデザインなど含めて車両全体で多くの変更点がありますが、注目はやはりPHEVシステムのパワーアップです。
●EV走行領域の拡大を実現
PHEVシステムの基本構成に変わりはありませんが、電池容量を12.0kWhから13.8kWhに増大し、満充電でのEV航続距離を60.8kmから65kmに延長しました。
同時に発電機とリアモーターの出力も10%向上させ、EVでの最高速度を125km/hから135km/hに引き上げてEV走行領域の拡大を実現しています。
発電用エンジンは、2.0Lから2.4Lに排気量を拡大し、アトキンソンサイクルを採用しています。
アトキンソンサイクルは、多くのエンジンが採用している熱効率(燃費)向上手法ですが、一方で出力が低下する課題があるので排気量を拡大して出力低下をカバーしています。
●代表的なPHEVを比べてみると?
最後にプリウスPHEV、クラリティPHEVと比較してみました。いずれも両社が開発した高効率HEVシステムの電池を大容量化し、外部充電機能付加したHEV派生のPHEVです。
・三菱アウトランダーは、前・後輪それぞれにモーターを搭載した4WD SUV
エンジン2.4L、電池容量13.6kWh、航続距離 65.0km、HEV燃費18.6km/L
・トヨタプリウスPHEVは、HEVシステム「THS」をベースにしたFFセダン
エンジン1.8L、電池容量8.8kWh、航続距離 68.2km、HEV燃費37.2km/L
・ホンダクラリティPHEVは、HEVシステム「i-MMD」をベースにしたFFセダン
エンジン1.5L、電池容量17kWh、航続距離 114.6km、HEV燃費28.0km/L
車両価格は、アウトランダーPHEVが394万円〜、プリウスPHEVが326万円〜、クラリティPHEVが588万円〜です。
アウトランダーPHEVは燃費や航続距離など性能面では、プリウスPHEVとクラリティPHEVに劣ります。しかし、2モーターによるEV走行性能と4WD機能、さらに低燃費とのバランスをとった環境対応SUVで、他のPHEVとの差別化を図っているのです。
PHEVのパイオニア的なアウトランダーですが、まだまだ価格が高いと思っている人も多いでしょう。しかし一度乗って見れば、その静粛性や独特の力強い加速、安定した4WD走破性などに魅了されるかもしれません。
(文:Mr.ソラン/写真:前田 惠介)