自動運転タクシーの実証実験を8月下旬に行うとしていたタクシー大手の「日の丸交通」と自動運転技術を開発する「ZMP」が8月27日(月)、都内で予定どおり実証実験を開始しました。
千代田区大手町と港区の六本木ヒルズ間の約5.3kmを1日に4往復するもので、トヨタ自動車のミニバン「エスティマ」をベースにZMPの自動運転システムやセンサーを搭載。車線変更や右左折、発進・停車などの操作を自動でこなします。
新聞報道によると、自動運転タクシーが乗客を乗せて公道を営業走行するのは世界初の試みで、東京都が実用化の促進を目的に両社に1,000万円を補助。公募で当選した乗客が片道料金1,500円で乗車したそうです。
緊急時や交通状況によっては人が代わりに操作するため、運転席と助手席に係員が乗車。乗客によれば車線変更なども自然で、普通のタクシーと勘違いするほど運転がスムーズだったそうです。
専用のスマートフォンアプリで到着したタクシーのドアを開け、乗車後の料金支払いは事前登録したクレジットカードで行う仕組み。実証実験は9月8日(土)まで続けられる予定で、両社は東京五輪が開催される2020年の実用化を目指しています。
今後も自動運転車を使ったタクシーやバスの実証実験は全国各地で実施される見込みで、本年11月には多摩ニュータウン、来春には大津市でも予定。
こうした動きの背景には慢性的なタクシードライバー不足があるようで、日本政府も自動運転を成長戦略の柱に据え、普及に向けた数値目標を設定、事故時の責任所在などを巡る法整備を進める考えのようです。
(Avanti Yasunori・画像:ZMP)
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