SUSIモード搭載? ヤリス新エンジンを投入効果で首位発進!【WRCラリーフィンランド】

7/26に開幕したラリーフィンランド。今回、TOYOTA GAZOO Racing WRT(World Rally Team)はヤリスWRCに新しいエンジンを投入。スロットルレスポンスと低速トルクを改善した。

低速トルクの改善についてはエンジン全開率の高いこのラリーでは著しい効果の期待はできないが、1戦でも早く投入できればそれだけ熟成・信頼性の向上も進む。1速高いギアでも走れるコーナが増えれば、イベントを通して1秒以下で勝敗を分ける今のラリーでは心強い武器となる。

26日の午前中はシェイクダウン(試走)を行い、車のフィーリングを確認した各ドライバーから車のフィーリングについてはポジティブなコメントが語られた。特にラトバラ選手からは「今朝のシェイクダウンは順調で、途中で小さなセッティング変更を施したところ、クルマのフィーリングはとても良くなりました」と非常に前向きな印象が語られている。

SS1では早速その効果が出た。SS1「ハルユ1」は2.31kmはユバスキラの公園内に特設される為、短い距離で高速コーナもあるが、ストップ・アンド・ゴーの要素が強くなる。

ここでオット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)が1:49.2のトップタイムを叩き出す。
2位はポイントリーダー、ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー組 (ヒュンダイ i20 クーペ WRC)だが、1:49.9と2.3km程の距離で0.7秒のタイム差。3位にはランキング2位のセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (フォード フィエスタ WRC) が1:50.0と、上位陣に抜かりはない。

TOYOTA GAZOO Racing WRTはエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(9号車)が1:50.9で5番手。ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(7号車)は1:51.5で7番手。とはいえ、タナク組とは2.3秒しか離れておらず、「今回のラリーでの第一目標はミスなく走る事ですが、すべてが上手く行けば、表彰台フィニッシュや、優勝争いに加わることもできるはず」と上位を冷静に狙っている。

昨年優勝のラッピは「(SSでは)リスクを冒すことなく走りました。 明日からのステージは滑りやすいルーズグラベルに覆われた路面で(上位数台は掃除役となってしまう為)出走順がタイムに影響します。そのため明日午前中のステージはかなり重要で、出来る限り良い走りをして、良い位置を狙いたいと思います」と、先を見据えたコメントをしている。

トップタイムを記録したオット・タナクは「最初のSSは、途中かなりハイスピードなセクションもあり、とても挑戦し甲斐があるステージでした。ミスのない良い走りができて嬉しく思います。しかし明日は、今日と正反対ともいえるステージが我々を待っています。我々のクルマはこのラリーで高い戦闘力があると思います。きっと長く、厳しい戦いになるでしょうが、我々の目標はトップに立つ事です」と、優勝を睨んだコメントを行った。