この乗り心地のよさとともに、帰路の高速で絶大な力を発揮したのが、アダプティブ・クルーズ・コントロールやパイロット・アシストといった運転支援システムです。XC60では加減速や車線保持の制御がいっそう緻密になり、東北道ではほとんど主体的な操作を行わなかったほどです。
長距離ドライブでは、路面や他車を絶えず監視し、ステアリングやアクセル、ブレーキを操作し続けることが激しいストレスとなります。XC60の運転支援環境はこうしたストレスの低減に圧倒的な効果を持つことを、身をもって学びました。
XC60 D4の優れた点はいろいろあります。しかし筆者が圧倒されたのはそういった個々の機能よりも、それらが協調しあい、「長距離を快適に走るクルマ」として圧倒的なまとまりを見せている点でした。視点の高さ、ステアリングのギア比、乗り心地、ドライバーを助ける電子デバイス、800kmを走れる足の長さ、そしてなによりトルクフルなディーゼルエンジン。これらが響きあって生まれるものすごい完成度。
その完成度が気になった人は、一度ディーラーへ試乗に出かけてみるのも悪くないかもしれません。
(文:角田伸幸/写真:平野 学)