日産と産総研の共同研究でわかった「ワンペダルは楽しい」

結論をいえば『ワンペダル操作での運転は、楽しさの重要な要因の一つである「運転への集中状態」を自然に引き出しうる』、『ワンペダル操作での運転時には、「運転がより楽しく感じられる」』ということです。しかも、運転に集中しているのにのもかかわらず、ドライビングによる疲労や負荷が大きくなることはないと認められたといいます。

とはいえ、今回の研究は比較的少なめのサンプルから導かれた結論であり、またその理由については明確になっていません。あくまでもノートe-POWERにおいて、2ペダルよりもワンペダル操作のほうが楽しく運転できると感じたドライバーが統計的に有意な差として多い、と認められたということになります。

しかし、少なくともノートe-POWERにおいてはワンペダル操作のほうが運転が楽しく感じるということはいえ、また運転に集中することができるということはいえそうです。

売れに売れているノートe-POWER、まだ触れていないユーザーが試乗する機会があれば、ワンペダル操作を試してみることで、その魅力に触れることができる、売れている理由が理解できるといえるのかもしれません。

なお、日産がアピールしてきた運転疲労度の軽減については、この研究では違いが認められなかったといいます。それよりも楽しさが上回ったということでしょうか。

今回の研究はワンペダル操作と2ペダル操作において統計的に有意と認められる違いがあるのかどうかという点を明らかにしました。今後は、その違いを生み出すメカニズムの解明と、その知見を活かしたクルマづくりが期待されます。

(写真:門真 俊/文:山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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