【タイヤ試乗 TOYO TIRES PROXES Sport SUV】TOYOのスポーツSUV専用タイヤはドライバーの技量を選ばず自然な操舵フィール

今や大人気のプレミアム・スポーツSUV。TOYO TIRESは、それに対応するために「プロクセス スポーツ SUV」を新たにラインナップに加えた。

特に大パワー化が著しい中、本物の性能が求められるカテゴリーだけに、その真価が問われている。果たしてその完成度は如何に!?

良いクルマに乗った時と同じように、良いタイヤに乗ると少し走らせただけでそれがわかる。

TOYO TIRESの最新SUV用タイヤ「プロクセス スポーツ SUV」は、その名の通り乗った瞬間からスポーティな乗り味を、実に自然なフィーリングで与えてくれるタイヤだった。試乗車はアウディのプレミアム・スポーツSUV「SQ5」だったが、その乗り心地を損なうことなく、重たい車重をしっかりと支え、アクセルに対して応答遅れなく「スーッ」と転がして行く。

昨今のタイヤは低燃費競争の矢面に立たされており、この転がり抵抗の少なさをベースに乗り心地を構築することがひとつのトレンドとなっているが、このプロクセス スポーツは「転がし方」が非常に上手い。

通常こうしたタイヤは、トレッド剛性だけが高まりサイドウォールのバネ特性によって突き上げがきつく感じられたり、ラベリング重視の剛性アップでゴツゴツ感が目立つのだが、このプロクセス スポーツ SUVはタイヤ全体でバランスが良い。トレッド面(ベルトやベースゴム強度、コンパウンドの特性)と、サイドウォールを支える構造の剛性バランスが整っているから、タイヤが丸く感じるのだ。そしてこれは前身となるプロクセス T1 スポーツで得た乗用車用プレミアムスポーツタイヤの技術を、上手にSUV用へ転じた証しだと思う。

さらに驚いたのは、コンパウンドのタッチが「サラッ」としているにもかかわらず、荷重が掛かるとしっかりグリップ性能を発揮すること。それが高重量域となる筑波サーキットでの試乗において確認できた。朝一番の冷え込んだ路面にもかかわらず初動が速く、走り込むほどにそのグリップが確かなものになって行くのは、コンパウンドに配合するシリカのコントロールができているからだろう。

過渡特性がわかりやすいこともプロクセスのイメージ通りだ。

コーナリングでは重心の高いボディをガッチリ支えた上で滑り出しが穏やかだから、かなり高い速度域でも安心して挙動を確認しながらコントロールすることができる。500Nmものトルクに対応してもタイヤがよじれないので、コーナリング中もアクセルコントロールに自信をもつことができ、立ち上がりで354psのフルパワーがかけられるのだ。褒めすぎるとウソのように聞こえて嫌なのだが、このタイヤ、本当に剛性バランスが良い! それでいてバネ下の重さを感じさせないから驚いてしまう。

こうした特性ゆえに、より荷重領域が低いワインディングではもっぱら気持ちよさが際立つ。与えた荷重だけグリップを発揮する特性は、ドライバーの技量を選ばず自然な操舵フィーリングをもたらしてくれるし、ブレーキだって見事に効く。

そしてハイウェイでは高周波ノイズをきっちりと遮断している。

これはトレッド面のブロックを、グリップ性能だけに特化せず細かくまとめたことも功を奏しているはず。見た目はおとなしいトレッドパターンだが、実に奥深い表情である。

総じてこの「プロクセス スポーツ SUV」、お世辞抜きに気持ち良い“スポーツSUV用タイヤ”と結論する。

REPORT/山田弘樹(Kouki YAMADA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)


ナノ・バランス・テクノロジーによって低燃費とウエット性能の二律背反する性能を高次元で両立したスポーツSUV用タイヤ。新開発されたハイグリップキャップコンパウンドによるウエット性能の評価も高いが、それ以上にドライでのグリップ性能にも注目に値する。優れたコントロール性を見せるのが特徴だ。

【サイズ一覧】
275/35R22 104Y
285/35R22 106Y
315/35R20 110Y
255/45R20 105Y
275/45R20 110Y
255/50R20 109Y
285/45R19 111Y
255/50R19 107Y
265/50R19 110Y
235/55R19 105Y
255/55R19 111Y
235/55R18 100V
255/55R18 109Y
235/60R18 107W
215/65R17 99V
235/65R17 108W

 

【関連リンク】

東洋ゴム工業 お客様相談室 TEL 0800-3001456

http://toyotires.jp