トヨタとスバルの戦いはどうだったか?【ニュルブルクリンク24h】

■ニュルの強豪、欧州勢は相変わらず強かった

肝心なレースはどうだったのか? 深夜2時ごろから降り始めた雨や霧の影響もあり、クラッシュやコースアウト、接触も多かった。夜明けと共に雨は小康状態となったものの、振ったり止んだりの連続に加えて、深い霧の影響でレースは12時前に赤旗中断。

2時間後の14時にレースは再開されたが、実はこの時トップ(メルセデスAMGチームブラックファルコン:メルセデスAMG GT3)と2位(No.912 マンタイレーシング:ポルシェ911GT3 R)は同一周回。ここからスプリントレースのような攻防となり、No.912が逆転。そのままトップを守り総合優勝を果たした。マンタイレーシングにとっては6回目のニュル24時間総合優勝で最多記録を更新。

一般的には耐久レースはゴールするためには「マージンを残して」、「無理をしない」、「序盤で何かあっても逆転のチャンスがある」と言われることが多いが、現在の耐久レースはスタートからゴールまで全開でミスなく走らなければ勝てない。最近のル・マン24時間もそうだが、この流れはツーリングカーがベースとなるニュル24時間にも来ている。もはや、耐久レースではなく24時間のスプリントレースと言ってもいいのかも!?

ニュル24時間はマシンの性能に合わせて細かいクラス分けが行なわれているが、総合優勝を争うのはFIA GT3マシンで争われる「SP9」だ。GT3マシンはレーシングカーだが自動車メーカーが開発を担当しており、基本的には誰でも購入できる「量産車」である。つまり完成度や品質は市販車と同レベルであり、「誰でも、どこも、いつでも」連続して安定して速く走ることができるクルマ作りが行なわれていることを意味する。そう、TOYOTA GAZOO RacingやSTIがニュル24時間を通じて熱心に行なう取り組みを、彼らは遥か昔から実践しているのだ。