本部からの呼び出し計3回。でも、やったゼレース完走! OPT300ZX耐久レース挑戦記・その10【OPTION 1985年7月号より】

しかし、ダメ元だとしてもレースは走ってみるもんだ。なんたって完走しちゃいましたからね〜! が、そのレース模様はドタバタ劇。レース折り返し時点でドライバー・コボちゃん(桂伸一選手)のあまりの遅さに「チェンジじゃ!!!」さて、その続きをドーゾ!

・・・・・・・・・・・・・・

冷や汗ものの終盤戦、なんとか完走させるのだ!

それにしても、レースは見るもんじゃない。参加するもんなんだ! 耐久レースじゃなくても、けっこうレース観戦のときは中だるみがある。が、ひとたび身内が出ているとなると、緊張の糸を緩めるいとまもなく、矢のように時は過ぎていく。

1分51秒90、50秒63…コボからバトンタッチした山田英二は、前半の抑えたドライビングから一転して勝負に出た。気分は完全にポルシェ追撃である。消極的な守りの姿勢では、かえって規定周回数がヤバいという読みだ。まさに現役F3レーサーだ。

もう、こうなりゃいくところまでいくしかない。押せ押せムードである。が、もしやの期待が大きく膨らんできた127周め、オレンジボールが出された。スピンしてコースアウトした際、下回りを破損してガソリンが漏れている、というのだ。即ピットインさせるが、なんら問題はない。クソッ、ドッキリさせやがって!

ところがこの辺りから、ハラハラドキドキのドラマは大きく盛り上がってきたのだ。130周め、突然ピットイン。ブレーキがほとんど効かないという。タイヤ、ブレーキパッドの残量はまだまだOKだから、きっとフェード気味なのだろう。市販ラジアル、ノーマルブレーキでは、やはりキツイのだ。

この間、Daiは再び、本部へ呼びつけられている。ヘアピンでスピンした後、コースへ戻る際、後方確認が不十分だったというお小言を頂戴する。これはきっと、いいかげんにリタイアしてくれ!という本部からの無言の圧力ではないかと、一同ドッキリ。

138周め、タイムが2分01秒台に後退。小宮延雄とドライバー交代。ブレーキがまったく効かないという。が、パッド交換に時間を費やすより、ゆっくりでも周回を重ねたほうがいいとの判断で、そのままコースイン。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
続きを見る
閉じる