2018年3月期の純利益2.5兆円(前年比36%増)のトヨタ自動車。今期は一転、15%の利益減に?

トヨタ自動車が月初に発表した2018年3月期の連結決算では、円安や米国の法人税減税が追い風となり、最終利益が2.5兆円(先期比+36.2%)と、2年ぶりに過去最高を更新しました。

ところが今期(2019年3月期)については北朝鮮情勢や米中貿易摩擦、新興国通貨安などの懸念材料を背景に、円安効果で収益を伸ばした先期から一転して最終利益を2.1兆円(先期比‐15.0%)と、円高による減収減益を予想しています。

為替変動の影響に加え、米国での競争激化による販売奨励金の増大等を考慮しているためで、トヨタではその対応策として生産や設計などの新手法「TNGA」により、デザインや性能向上を図りながら原価を下げる活動に、よりいっそう取組んで行く考えのようです。

近年、自動車業界では電動化や自動運転など次世代技術の台頭に伴い、新技術や新分野への投資拡大が必要な状況となっており、今期は新型カローラ新型クラウン投入による販売増が期待される反面、経営面では難しい舵取りが要求されることになりそうです。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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