日本最大、いや世界一のタイヤメーカーといえるブリヂストンから、『高分子複合体の新合成技術により世界初のポリマー開発に成功』という発表がありました。副題は『ゴムのしなやかさと樹脂の強靭さを兼ね備えた次世代材料』となっています。
タイヤの約半分はゴムで出来ています。そのゴムは、天然ゴムと合成ゴムで構成されていますが、まだまだ天然ゴムのほうが多めに使われています。それは、天然ゴムのほうが現状の合成ゴムより耐破壊性に優れているからです。つまり、天然ゴムはタイヤづくりに欠かせないもの。しかし、天然ゴムはその名前の通りに天然ですから、農作物となります。ですから安定供給がむずかしい面があり、天然ゴムに代わる合成ゴムの開発はタイヤメーカーにとっては悲願といえる面があるのです。
2016年末には、天然ゴムを超える構造を持つ『分子構造を高度に制御したポリイソプレンゴムの合成に成功』したことをブリヂストンが発表したことは記憶に残ります。その際にキーとなったのが、ガドリニウム(Gd)触媒を使った新製法でした。