トヨタが米国向け新型「RAV4」を現地生産から国内輸出に切替えた理由は?

トヨタ自動車が展開する約5,000店舗の国内販売網において、新車販売が少子高齢化による顧客数減少の影響で伸び悩んでいるそうです。

これまで系列販売店を競わせることで国内の新車販売を活性化してきたものの、年間販売台数が1990年の約250万台をピークに、昨年は約163万台にまで減少しており、国内工場で生産余力が発生している模様。

同社ではこうした状況を踏まえ、米国で年末(日本は来春)に発売予定の新型SUV「RAV4」の生産を、今秋から愛知県大府市の豊田自動織機 長草工場で開始することにしたそうです。

トヨタでは為替変動に左右されない経営体制に向け、これまで海外販売車については現地生産を重視してきましたが、現行RAV4については既にカナダ工場などに加え、長草工場やトヨタ自動車 高岡工場でも生産しており、今後は国内販売の減少で生じた国内工場の生産余力を輸出車の生産に振り向けることに。

また、複数の系列の車種を販売する店舗を設置すると共に、試乗車を活用したカーシェアにも乗り出す模様。

おりしも北米では原油安を背景に、燃費の良い乗用車から大型SUVやトラックへの移行が鮮明で、現行「RAV4」についても昨年の米国販売が約41万台と好調なことから、同社では新型車への期待も大きいようです。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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