Day2は上位陣にトラブルが襲い掛かる。ラトバラ組のヤリスWRCがSS8でのコースアウト時に右後部を立ち木に激突、自走でサービスに戻ったが、車体後部は修復不可能なレベルに到達しており、リタイアとなる。
ラトバラは「日中のサービスでクルマにいくつか変更を施したところ、素晴らしいフィーリングが得られ自信を持って攻められるようになりました。しかし、少しハードに攻めすぎたのかブレーキングが遅れ、残念ながらクルマのリヤを木に当ててしまいました」と語った。
また、SS8では3台目のフォード・フィエスタWRCに乗るブライアン・ブフィエ/グザビエ・パンセリ組もここでラリーを終える。更にミーク組のシトロエンC3WRCはSS10走行中にコ・ドライバー、ネイグルのペースノート読み違えによりコースアウト、デイリタイアを喫する。
ライバル達が脱落していく中、オジェ組(フォード)は2位に浮上したタナク組(トヨタ)との差を44秒迄広げる。3位には前日から順位を1つ下げたヌービル組(ヒュンダイ)。以下、ラッピ組(トヨタ)、ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ組(ヒュンダイ)と続いた。
Day3のSSは2つだけ。しかし、SS11は55.17kmと最も長い勝負所。最後のSS12(16.25km)には「パワーステージ」としてボーナスポイントが加算される。
SS11を最速で駆け抜けたのはタナク組のヤリスWRC。
2位のミーク組(シトロエン)に12.6秒差をつける一方、オジェ組(フォード)に13.5秒詰めたが、最終SSだけで36秒以上速く走る事は事実上困難。また、3位ヌービル組との差も30秒以上の差を築き、ヌービル組も4位ソルド組との間に1分以上の差を築き、上位は順位キープに入る…かに思われた。
最終SSは上位入賞の望みが薄くなったクルー達の全開が挑むパワーステージ。トップタイムを叩き出しポイントを稼いだのはヤリスWRCのラッピ組。
ラッピ組はSS11で順位を4位から7位に下げたが、このトップタイムで6位に順位を挽回した。
SS2位には初日、デイリタイアを喫したシトロエンのローブ組が2.2秒差で入り、衰えないその腕を見せつけたが、今年ローブが参戦を予定しているイベントはあと1つだ。SS3位には2位に遅れる事1.2秒でオジェ組が滑り込み、優勝(25pts)に加えパワーステージ(3pts)の28ポイントを掴んだ。SS4位には前日デイリタイアをしたシトロエンのミーク組が入り、SS5位にタナク組が滑り込み、総合2位(18pst)に1ポイントを加えた19ポイントを獲得した。
総合3位にはヒュンダイのヌービル組が入りランキング2位を堅持したが、オジェとのポイント差は17に広がった。ヌービルはターマック(舗装)路面に強いと定評があるが、今回はステージ優勝を果たせなかった。
フォード、トヨタ、ヒュンダイが表彰台に上り、12のSSのうち、Mスポーツ・フォードとシトロエンが3度、トヨタが6度のステージ優勝を飾った。
今年のターマック戦、トヨタの速さに疑いはなくなったが、4マニュファクチャラーの実力は拮抗している。
次戦WRCはラリーアルゼンチン。4月26日〜29日、ビラ・カルロスパスをホストタウンにグラベル(未舗装路)で開催される。
(川崎BASE・photo:TOYOTA / Jaanus Ree/Red Bull Content Pool)