プロボックスとサクシード これほど似ててこんなに違いがあった!

4月26日に一部改良を実施した、トヨタプロボックスとサクシード。ワゴンの後部中央席に3点式シートベルトとヘッドレストを設置し安全性が向上しました。

プロボックスとサクシードは今や日本のビジネスシーンで大活躍してるライトバンですが、5ナンバー仕様のワゴンも髙い積載性と質実剛健な作りで根強い人気となっています。

プロボックスとサクシードは、ほとんどの方が名前と販売店が違うだけの兄弟車だと思われますが、実は細かい所が結構違うのをご存知ですか?

少しクルマに詳しい方であれば、バックドアやリヤコンビランプ、フロントグリルなんかも違う事にお気づきだと思います。

一番大きく違うのは全長で、バックドアとリヤバンパーの形状が異なる為、サクシードの方が全長で105mm、荷室長で20mm長くなります。それに伴いバン仕様では最大積載量がプロボックスの400kgに対しサクシードの方が50kg多い450kgとなります。

他にもバン仕様では後席の可倒方法がプロボックスのバックレストを前倒しするだけのワンアクションに対し、サクシードは座面を持ち上げてから格納する2アクション。これはサクシードの方がシートクッションの厚みがあるので、フラットな荷室を作る為に2アクション必要になってきます。

さらに、あまり知られていない所では、フロントフェンダーも違うと言う事にお気づきの方は少ないのではないでしょうか?

厳密にいうとフロントバンパーの回り込んだ部分の形状が違う為、必然的にフェンダーの形状も変わっています。プロボックスはほぼ正面でバンパーが完結していますが、サクシードはサイドのタイヤハウスまで回り込んでいます。

これはパーツを分割する事で、万が一ぶつけてしまった場合でも修理代のコストを抑える工夫で、パーツ点数が多く小さい部品で構成されるプロボックス(写真左)に対し、デザインを優先させた大型バンパーを備えるサクシード(写真右)はパーソナルユースも考慮しているようです。

他にも仕様差があり、プロボックスにある設定がサクシードに無い物があります。
ワゴンにMTの設定が無く、バン仕様に1.3Lガソリンエンジンと、1.5LCNGエンジンの設定がありません。

価格面でもプロボックスの方が安く設定されていますが、実はプロボックスでオプション扱いの装備がサクシードでは標準装備になっているケースが殆どで、全長の違いと合わせて価格差に出ているようです。

例えば、プロボックスバンの1.5L最廉価モデルであるDX 2WD 5MTが121万8000円なのに対し、サクシードバンの最廉価モデルのU 2WD 5MTは131万4000円と10万4000円ほどサクシードの方が高くなっています。

サクシード バンU 2WD 5MTの標準装備
■ドアサッシブラックアウト(プロボックスバン DXには設定なし)
■フロント時間調整式間欠ワイパー・リヤワイパ―(プロボックスバンDXはリヤワイパ―とセットで1万5750円のオプション)
■フロントシート上下調整式ヘッドレスト(プロボックスバンDXはシート一体式)
■オーナメント付3本スポークウレタンステアリング(プロボックスバンDXはオーナメント無し)

さらには、プロボックスバンDXでは選択出来ないリヤシートヘッドレストやアクセサリーコンセント、前席パワーウィンドウ、サイドプロテクションモールをサクシードではオプションで選択する事が出来ます。

しかし一点だけプロボックスバンDXに標準装備されていながら、サクシードバン Uにオプション設定となる装備があります。それは電動リモコンドアミラー。サクシードに標準となるのは手動調整式ドアミラーで電動リモコンドアミラーは7350円のメーカーオプションとなります。

装備充実のサクシードに対し、徹底的にビジネスユースをターゲットとし大量導入する企業向けと思われるプロボックス。

1台10万円の差が10台買ったら100万円になるわけで、徹底したコスト管理をしている大企業にはプロボックスを、個人経営の商店など自家用と兼用するケースの多いユーザーには装備充実のサクシードをと言った棲み分けがされているように感じました。

似て非なるこの2台。細かくマーケティングをしてるトヨタらしい仕様差だと思いました。

(井元貴幸)