愛知県にニュルブルクリンクが出現!? トヨタが新鋭テストコースを建設中

トヨタ自動車が2023年の本格稼動を目標に建設中の新研究開発拠点は、同社が本社を置く愛知県豊田市の中心部から15kmほど離れた静かな山間部にあります。

東京ドーム約140個分となる650ha(ヘクタール)の用地を確保。環境保護や機密保持の観点で、約6割を森林地帯として残し、残りの270haを施設用地に充てる計画になっており、総工費は3,000億円規模になる模様。

参考までに事業に着手した2007年4月以降の経緯は以下となっています。

2009年10月 「新研究開発施設のあらまし」を公表
2010年 9月 「里山環境との共生に向けて」を公表
2012年 1月 環境影響評価書の公告・縦覧
2012年 5月 工事着手
2012年11月 東工区整地工事 工事着手
2013年 8月 中工区整地工事 工事着手
2017年 9月 西工区整地工事 工事着手

工区は東、中、西の3工区に分けられ、2012年5月に造成工事に着手。うち、中工区(177ha)の造成が完了。本年2月19日に造成を担った愛知県企業庁からトヨタにテストコース用地の一部が引き渡されました。

2019年4月に中工区が稼働予定で、独ニュルブルクリンク・サーキットなどの欧州山岳路を模した1周5.3km、高低差75mのテストコースには多数のコーナーが設定され、車両運動性能試験が行なわれるようです。

朝日新聞によると、2月19日の引き渡し式に出席した愛知県の大村知事は「日本一元気な愛知の実現のためにも拠点整備は極めて重要。環境に配慮しながら工事を進めてきた」と語り、トヨタの寺師副社長は「厳しい走行環境のコースで車を鍛え上げたい」と抱負を語ったそうです。

新たな研究開発棟には、本社技術部から技術者らが移転予定で、将来的には3,850人規模になる模様。新研究開発施設は本社テクニカルセンターからの移動時間が約30分の位置にあり、同社では迅速な開発が可能になるとしています。

高速評価路での最高速度は200km/h、同時走行が可能な最大台数は87台、年間延べ走行台数は約15万台とされており、周辺環境への配慮も万全な新拠点での高性能車開発が期待できそうです。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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