水平対向4気筒の718ボクスターSは「懐かしいボクサーサウンド」がする

音だけでなくそのパワーの出方に関しても楽しめました。

通常のダウンサイジングターボでは低回転域にトルクをてんこ盛りにして、アクセル開度少なめでも速度が伸びるけれど、高回転域では伸びしろが失われがちです。しかし、ポルシェいうところの「ライトサイジングターボ」であるこの2.5L4気筒エンジンは低回転からリニアにトルクが立ち上がり、それは7000rpm付近まで常に右肩上がりに強まっていくのです。

こうした特性を作り出している背景には、VTGという可変ジオメトリー式ターボチャージャーを採用したことも大きいと思います。

環境や市場の変化から伝統の水平対向6気筒から変更せざるを得なかった718ボクスター系ですが、ポルシェはこれを胸のすく気持ちいいエンジンに仕上げることでポジティブな変革とすることに成功しています。

今後もしかしたらボクスターは完全電動化するかもしれません。が、その時にもポルシェは最善を尽くして楽しいパワーユニットにしてくれるに違いない。そんな、未来のことまで希望を持ててしまう試乗体験でした。

●スペック
全長×全幅×全高:4379×1801×1280mm
最高出力:350ps/6500rpm
最大トルク:42.8kgm/1900~4500rpm
エンジン:水平対向4気筒ターボ(2497cc)
ベース価格:888万円

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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