水平対向4気筒の718ボクスターSは「懐かしいボクサーサウンド」がする

注目のエンジンです。ポルシェの後輪駆動スポーツといえばコレ!といえるほど強い印象を持つ水平対向6気筒ではなくなってしまったことで、性能は良くとも味わいが消えてしまうんじゃないかと思っていました。

結論から言うとそれは全くの杞憂でした。冒頭でも触れたように、エンジンを始動すると重低音の中にバラバラと言う不揃いの音があります。エキマニに不等長タイプを採用していることで発生する音です。

これは、今回のモデルから採用されたターボチャージャーをボディの片バンク側に寄せて搭載したことでどうしても左右同一の長さにすることができなかったことが原因です。

しかし現在の技術であればこの荒々しい音をほとんど消すことは可能だったはずです。それをあえてやらなかったのは、この音が与える高揚感のようなものを大事にしたかったからではないでしょうか。

ワイルドな音は速度を上げていっても、音質やその発生間隔を変化させながら常につきまといます。 ただし、ある回転数から上になるとバラバラと言うやや湿ったニュアンスだった排気音が、乾いた音に切り替わります。

このとき、とても不思議なのですが空冷時代の911が発生していた音にそっくりなトーンが加わってくるのです。これは非常によく似ていいて嬉しくなってしまいます。

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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