注目のエンジンです。ポルシェの後輪駆動スポーツといえばコレ!といえるほど強い印象を持つ水平対向6気筒ではなくなってしまったことで、性能は良くとも味わいが消えてしまうんじゃないかと思っていました。
結論から言うとそれは全くの杞憂でした。冒頭でも触れたように、エンジンを始動すると重低音の中にバラバラと言う不揃いの音があります。エキマニに不等長タイプを採用していることで発生する音です。
これは、今回のモデルから採用されたターボチャージャーをボディの片バンク側に寄せて搭載したことでどうしても左右同一の長さにすることができなかったことが原因です。
しかし現在の技術であればこの荒々しい音をほとんど消すことは可能だったはずです。それをあえてやらなかったのは、この音が与える高揚感のようなものを大事にしたかったからではないでしょうか。
ワイルドな音は速度を上げていっても、音質やその発生間隔を変化させながら常につきまといます。 ただし、ある回転数から上になるとバラバラと言うやや湿ったニュアンスだった排気音が、乾いた音に切り替わります。
このとき、とても不思議なのですが空冷時代の911が発生していた音にそっくりなトーンが加わってくるのです。これは非常によく似ていいて嬉しくなってしまいます。