3列シートSUVのマツダ・CX-8は、後方からの衝突に対しても同社独自の要件を設定し、安全性の確保が図られています。
JNCAPによる衝突安全性能試験では、フルラップ前面衝突試験、オフセット前面衝突試験(オーバーラップ率40%)、側面衝突試験、後面衝突頚部保護性能試験が導入されています。
後方からの衝突(追突)に関しては、先述した後面衝突頚部保護性能試験による頚部の傷害(4段階で評価)のみで、追突された際の試験は設けられていません。
マツダでは、追突安全性に関して国際的にも厳しい法規であるアメリカの試験条件で開発されています。追突された際に、タンクから燃料漏れを起こさないように対策が施されているのはどのメーカーも同じですが、CX-8では3列目の生存空間もしっかりと確保されているそうです。
クラッシャブルゾーンをきっちりと「つぶす」ことで衝撃を吸収させるのは前面と同じですが、3列シートSUVのCX-8はフル乗車時の後方スペースには限りがあります。
そのため、メインフレームをまっすぐに配したストレートフレームと呼ばれる構造を採用し、Cピラー下にはマツダ初となる二股構造を用意。ボディとフレームの結合強度を高めることで効率的にエネルギーを吸収。
ほかにも部材の選択や配置、超高張力鋼板などの採用により80km/hオフセット追突時でも3列目の生存空間が確保され、リヤドアの開閉が可能になるそうです。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)