1983年5月、テンロクFR車の代表、AE86レビン/トレノが発売されました! この後、日本のクルマの代表作となっていくハチロク発表と同時の記事がコチラです。
今更、説明はいらないですが、レース、ラリーなどのレース界はもちろん、ストリート・チューニング界でも絶大なる人気を得、漫画にもなり、中古車市場は高騰し……という歴史は、ここから刻まれていきました。
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噂のホットモデル 新型エアロ・レビン&トレノに4A-GEUの130psパワー
兄貴たちも真っ青の、ゼロヨン15秒9!
世界のベストセラーカー、トヨタ・カローラ/スプリンター・シリーズがFMCした。そのポイントは、世界的な動きであるFFへの転換だ。しかし、このFMCで最も注目されていたのは、スポーティ版のレビン/トレノである。セダンのFF路線と区別され、FR方式のままで登場した。
そして、さらに注目されていた1.6L直4DOHCエンジン、4バルブ・システムが採用されているのだ。各気筒2コの吸気バルブは、T-VIS(トヨタ・バリアブル・インダクション・システム)で吸気制御され、低中速と高速のバランスをとっている。その燃料噴射方式は、新たにEFI・Dと名付けられ、従来のエアフローメーター方式でなく、吸気系に取り付けられた圧力センサーで、燃料の噴射量をコントロールするシステムである。ボア×ストローク=81×77mmの1587ccは、130ps/6600rpmと強烈。最大トルクは15.2kgm/5200rpm。
スタイルも、トレノはリトラクタブル・ヘッドライトでスポーティ性を強調し、レビンはサイドまで回り込んだフロントライトが高級ソアラ風だ。ボディバリエーションは3ドアと2ドア。2ドア・レビンはミニソアラと呼ぶのがふさわしい。
面白いのは、エンジン冷却温によって、フロントグリルが自動開閉するという、エアロ・ダイナミックスを追及したアイデアである(レビンGT・APEX)。性能のほうも、900kg台という車重ではあるが、社内テストでゼロヨン15秒9をマークしているほど。このタイムは兄貴分の2.8L DOHCや1.8L DOHCターボをも脅かす勢い。