チューニングの可能性は、ターボがベスト
レーザー&4Aツインカム16。この4A-GEUパワーは、いうまでもなく2T-Gに代わる新世代のテンロク・ツインカムだ。パワー的にも従来より15psアップで、世界的に見ても1.6Lクラスではトップパワーを誇る。
しかし、ノーマルに満足できないのがOPT精神だ。そのチューニングや潜在性能が気になる。
例えば、T-VISの6発1G-Gは、高回転こそよく回りパワーはあるものの、低中速のパンチ力が欠けている。新しい4A-GがEFI-Dを採用したといっても、5200rpmで最大トルクを発生するくらいだから、まさしく高回転型の特徴だ。やはり1G-G同様に、低中速をもっと使いやすくしたい気がする。
パワーだって上がるはずだ。なんといっても1.6LクラスのDOHCは、チューニングも手軽にできるのがいい。
やはり、ストリート用のターボチューンが最適になる。そこで威力を発揮するのが、EFI-Dの圧力センサーによる燃料噴射方式だ。従来のエアフローメーター方式では、パワーを限りなく上げていく場合、吸気抵抗が増大するというネックがあったが、EFI-Dではかなりスムーズに吸気できる。
ただし、ターボチューンによる燃料増量システムは、複雑化するのも事実だ。徹底的なコンピューターチューンが必要になるからである。しかし、このコンピューターをチューン度に合わせ的確に変更すれば、低速から高速までスムーズな燃料増量ができるわけだ。
パワーアップに伴い、4A-Gのブロック剛性なども気になる。4A-Gが3Aのボアを3.5mm広げてあることを考えれば、これ以上ボアアップしないほうが無難といえる。
したがって、ノーマル排気量でのターボチューンが、ブロック剛性からみてもリーズナブルだろう。4A-Gのターボチューンによるメリットは、もう明らか。元来、高回転は強いので、ターボで低中速のトルクをカバーしてやるという考え方だ。
エンジンばかりでなく、新型レビン/トレノの特徴はサスペンションが旧型と基本的に同じである点である。むろん、新型ではサスペンションは改良され、ブレーキもフロントにベンチレーテッドが採用されているが、このサスペンションを強化するにも、旧型のチューニングパーツが使用できるわけだ。
ミッションやデフの駆動系にも、流用できるパーツが多い。新型といってもFFでなく、FR車に固執してくれたメリットは、オレたちチューニング派、スポーツ派にとってありがたい要素ばかりである。セリカ、カリーナの陰に隠れていた、トヨタの「走り小僧」が、再び街を暴れ回るのは確実だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
記事でも当然、チューニングの可能性を予想しています。実際には、予想以上のチューンド版が今後の誌面を飾っていくことになります。時代とともに、今後もハチロクの活躍を紹介していきますね!
【OPTION 1983年7月号より】
(Play Back The OPTION by 永光やすの)