トヨタ・プリウスの駆動モーター進化のポイントは「リラクタンストルク」

いま自動車業界のトレンドは「EVシフト」と「自動運転」。いずれも日本の自動車メーカーは遅れを取っているというイメージですが、そうとはいえません。とくに前者においては「EV」という言葉から近々に100%電気自動車が主流になると捉えられていますが、当面はハイブリッドカーが多数派になると予想されています。

というのは、いまの内燃機関を使った自動車の性能(航続距離など)をそのままに電気自動車に入れ替えるには、あまりにも車両価格が上がってしまうから。電気自動車がリーズナブルなモビリティになるには、まだまだ超えなければならないハードルはいくつもあります。それはバッテリーであったり、充電システムであったりします。

その一方で、駆動モーターについては、ほぼ進化し尽したと考えられているのか、ブレークスルーを求める声はあまり聞きません。

しかし、電動車を拡大するためには、まだまだ課題はあります。トヨタが開催した「電動化技術説明会」では、1997年に誕生した初代から現行型まで歴代プリウスの駆動モーターが並べられ、いくつもの課題をクリアすることで進化してきた様を見比べることができました。

駆動モーターにおける進化ポイントと技術開発の3本柱は「低損失化」、「小型軽量化」、「低コスト化」。そのほか冷却性能や静粛性といった部分でも進化を遂げています。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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