ここで早々にタイヤチェンジを行いますが、レース全体の3分の2以上を1人のドライバーで走行してはいけないというルールがあるために山内選手はそのまま、ドライバーチェンジをせずにコースに復帰していくのです。
このタイヤチェンジで2ピット作戦をとらざるを得なくなったBRZですが、スリックタイヤにチェンジしたことにより猛追を開始!ウェットが残る路面を1分35秒台という快進撃を始めたのです。
路面が乾いてくればもっとタイムは上がるはず。そしてもう一度入らなくてはいけないピットのために出来るだけ多くのマージンを残す必要があるという状況で山内選手はドンドンペースを上げていこうと走ります。
ピットではその山内選手の快進撃を見守ります。しかし、この時大きな暗雲がチームに立ち込めました。
23周目、突如トラブルにより走行に支障が出始め、マシンをこれ以上壊さないために山内選手はコースサイドにマシンを停めてしまいます。原因は当初は駆動系といわれていましたが、実はエンジントラブルであったのではないかといわれています。
結果としてリタイアとなってしまったBRZですが、最終戦もてぎに向けての手応えはあったとチーム総監督の辰己英治さんは語っています。実際、決勝レース中にはライバルに抜かれることはなく、またそれはストレートへの立ち上がりが速くなったからだとも語っています。
最終戦もてぎに向けて更なるコーナーリングスピードのアップを目指し、パワー不足を補おうというSUBARU BRZ R&D SPORT。ノーウェイトとなる最終戦でどんな戦いを見せてくれるのか。厳しかった今シーズンに最後に華を見たい、そんな気持ちでいっぱいです。
(松永和浩)