ダイハツ DN COMPAGNOはレトロじゃない!【東京モーターショー2017 コンセプトカー・デザイン速攻インタビュー】

東京モーターショーに出展されるコンセプトカーから、各社注目車をピックアップ。担当デザイナー氏に速攻インタビューを試みました。第2回はダイハツ DN COMPAGNOです。

── はじめに。今回はなぜコンパーノをモチーフにしたのでしょうか?

「コンパーノは1963年にダイハツ初の小型車として登場しましたが、オリンピックを前にした状況が現在と重なり、いまあらためてダイハツの小型車を表現するにはピッタリだろうと考えました」

── 旧車をリ・デザインする場合にはいろいろな解釈がありますが、今回はどのように考えましたか?

「単なる表面上の再現はやりたくない。オマージュはするけれど、クルマとしての新しさはしっかり出そうと考えました。そこで、過去のDNAは残しつつ現代的な解釈を試みました」

── たとえば、フロントランプの形状は丸形から大きく変わりましたね

「はい、いわゆるレトロフューチャーにはしたくなかった。ただ、ランプの内部は丸形として記号性を残しています。また、当時シューティングラインと呼ばれたボディサイドのモールは、あらたにショルダーの強いラインとして再表現しました」

── クーペ調のルーフも現代的解釈ですか?

「子育てが終わったシニア層に向け、使いやすい4ドアとしつつ、オリジナルの2ドアのイメージを残したかった。ただ、ダイハツのノウハウを生かし、リアは身長175㎝の人でもくつろげる空間になっています」

── ボディには余計なラインが入らず、プレーンなイメージとしましたね

「何本ものラインを使って新しさを出すのではなく、造形全体でキレイに見せるのがダイハツらしいと。リアパネルも、縦型ランプを継承しながらスッキリした面になっています」

── ホイールはかなりシャープな表現です

「いろいろと試行錯誤はありましたが、メッキの表現を再現することで、力強い表現もできるのではないかと考えた結果ですね」

── 本日はありがとうございました。

(語る人)
ダイハツ工業株式会社
デザイン部 第1デザイン室 EDCスタジオ
副主任 米山知良 氏

(インタビュー:すぎもと たかよし)

【東京モーターショー2017コンセプトカー・デザイン速攻インタビュー】

第1回「トヨタ Tj CRUISER」
https://clicccar.com/2017/10/26/524603/

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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