【東京モーターショー2017】これが次の魂動デザイン、マツダ「VISION COUPE」

原点は、日本の美学と言える引き算の美学。現在の美学はものが偏りすぎ、美意識の根底にあるものをクルマで表現していきたいという思いから始まっています。

それを実現すべく、余白を生み出す。ボディ全体から要素を削り落としていくことは、デザイナーにとって我慢との戦い。結果、残った部分に光と影を創作するものでした。そうして出来上がったのは、フロントセンターからリヤへの軸を一本に合わせたワンモーションフォルムが特徴。書道のストロークのような反りを表現。これは、日本刀や日本建築の屋根、東京スカイツリーにも見られるといいます。

そこで作り上げられた「面」は、手作りにこだわりながらもそれでもできない部分、常に曲率が連続して変化するところではどのような映り込みになるのか想像ができないため、この部分はデジタルシミュレーションが取り入れたそうです。

インテリアは人とクルマの一体感を狙いながら、タイトでもなく緩やかに包まれる空間を目指しています。空間を閉鎖せず、日本家屋の「間(ま)」の考え方を取り入れました。壁のようなモニターにせず、シースルーのスクリーンも開発しています。

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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