自動運転技術の秘密特訓場!? スバルが新設したテストコースに潜入!

これまで磨き上げてきた高速道路での運転支援システムとは異なるフェイズの、市街地における運転支援・自動運転技術の開発も美深テストコースの役割となります。

そのために新設されたのが、片側1車線・対面通行を想定した市街地路です。信号機や標識は日本で使われているタイプですが、左側通行と右側通行に対応できそうな配置で、信号機については雪国仕様の縦型も設置されているのが印象的。土地柄、積雪によって白線が見えない状態での試験も可能となっています。

また、信号がない交差点として今後の普及が期待されている「ラウンドアバウト(円形交差点)」も再現されています。こうしたシチュエーションでのクルマ同士の交渉など、様々なテストが行なわれうことが期待されます。

上から見ると、漢字の「田」のような形をしている市街地テストコース。現時点では道路があるだけですが、将来的には建物を置くことで、リアルワールドに近づけたテストができるようにしていきたいと話を聞くこともできました。

そのほかプリクラッシュブレーキの試験を行なうことのできる試験路(直線路)には交差点を模したデザインを追加することで、交差点での飛び出しなど様々な事故シナリオに対応した開発もできるようになっています。また、直線路を伸ばし、プリクラッシュブレーキをテストできる速度域を高めているのも「究極の安全」を目指すというSUBARUの強い意思を感じさせます。

さらに、作業や執務を行う「業務棟」を建て直すなど設備を充実させたことも開発を加速させることでしょう。

SUBARUの目指すドライバーファーストでの安全を実現する運転支援技術、その進化と高度化に期待が高まる美深テストコースのリニューアルです。

(写真:SUBARU/門真 俊 文:山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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