【新車】トップ奪還も夢じゃない!? ホンダ・ステップワゴンSPADAハイブリッドが大胆無敵に変身!

大きなグリルが食い込むようにデザインされた新しいLEDヘッドライトを持つフロントマスクは、これまたMクラスミニバンのトレンドに則ったもので、従来のステップワゴン・スパーダが持っていたスポーティなフォルムから一変。ワンクラス上の存在感を示しているよう。

そして、新搭載されたハイブリッドによる走りもクラスを超えたものとなっています。

JC08モード燃費25.0km/L、新基準であるWLTCモードでは20.0km/Lとなっているハイブリッドユニットは、燃費性能だけがセールスポイントではありません。2.0リッターアトキンソンサイクルDOHCエンジンに、2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは発生する最大出力は158kW、最大トルクは315Nmと、3.0リッターNAエンジン並の数値。

しかも常用域においてはエンジンで発電モーター回し、駆動モーターでタイヤを回す2モーターハイブリッドというのは、その仕組みから変速ショックがゼロで、シームレスな加速が味わえます。発進時に最大トルクを発生できるモーター駆動のメリットと相まって、その加速感は爽快そのもの。1820kgの車重で、けっして空力性能も有利とはいえなボディを、一気に法定速度まで加速させるのです。

そのまま高速道路を走っていると、高速での効率に有利なエンジンのダイレクト駆動モードに切り替わっていることがあるのことがメーター内の表示で確認できますが、切り替えショックはまったく感じられません。段付き感のない走りが続きます。高速走行で意外だったのは安心感が強いこと。ハイブリッド用のリチウムイオンバッテリーを1列目シートの床下に配置したことなどで重心の面で有利というのもあるでしょうが、ボディがしっかりとしているというステップワゴンのアドバンテージを実感できるのです。

さらに、新型スパーダの最上級グレードである試乗車(スパーダ ハイブリッドG・EX ホンダセンシング)には、ボディの前後にパフォーマンスダンパーを装備、ボディのしなりをコントロールしています。これにより横方向の動きおいて、よりしっかりとした感触を得ることができるというわけです。とくにホンダセンシングの機能であるACC(追従クルーズコントロール)やLKAS(車線維持支援システム)を利用してで走っているとシャシーのしっかり感は、そのまま安心感・信頼感につながります。新しいハイブリッドではACCが全車速域対応になったことで、渋滞時の疲労軽減にも役立ってくれるはずです。なお、ACCを設定できる上限速度は135km/hとなりました。LKASもその上限速度までは機能するよう進化しています。

ただし、市街地にステージを移すと、若干イメージが変わってきます。フロアがしっかりしているのは基本的にメリットですが、段差を乗り越えたときなどのショックがガソリン車に比べると大きくなっているように感じるのです。パワートレイン由来のピッチングが少ないことも突き上げを気にさせるという面も否めませんが、もっと乗り心地がソフトになると3列ミニバンとしての魅力がアップしそうです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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