エクステリアと共に全面的に改められたインテリアのデザインは、ポジティブに言えば「EVがいよいよ普及期に入ってきたことを連想させる普遍的な仕上がり」な一方、ネガティブな表現をすれば「EVならではの雰囲気が薄れ、没個性化した」とも言える印象。
実は、フロア下部に駆動用バッテリーをレイアウトするという、ピュアEVならではの専用骨格を従来型からキャリーオーバーした関係もあり、前輪とフロントパッセンジャーの位置関係はもとより、ドライビングポジションも従来型と完全に同一。そんな条件の下で、より優れた視界を得ながらダッシュボードによる圧迫感を減らすことで「軽快さや寛ぎ感の向上を狙った」というのが、新しいリーフのインテリアの狙いでもあったという。
スイッチOFF時にはすベての表示がブラックアウトした初代モデルに対し、新型ではクラスター内の右寄りにあえて常時目に入るメカ式のアナログスピードメーターが採用されたのは、「デジタル表示では走行速度のイメージが掴み難い」という、ユーザーの声を受けての変更とのこと。一方、センターコンソール上に配されたシフトセレクターは、手前側へのスライドでD/Bレンジ、前方側へのスライドでRレンジが選択される初代モデルと同様のロジックとデザインを採用。
さらに、そんなセレクター前方には、新型での大きな売り物とされる”e-Pedal”と”プロパイロットパーキング”用スイッチが、前者はスライド式、後者はプッシュ式と異なる操作法で並ぶ。
ドライバーズシートへと乗り込んだ時点で感じさせられるのは、ヒップポイントの高さと視界の良さ。前者は、床下に電池を敷き詰めた骨格を採用することによる、ある種「宿命」とも言える部分。最も低くセットをしてもそんな印象に変わりはなく、人によってはやや違和感を抱く可能性は皆無とは言えない。一方、後者に関しては前述のメーターデザインの変更によって、直前で目に入るダッシュボードのボリューム感が減った効果が大きそうだ。
一方、バッテリーに邪魔されないボディ後端の深いラゲッジスペースは、同等ボディサイズのエンジン車に勝るとも劣らないポイントだ。さまざまなEV用パーツや配線のコンパクト化。そして、トリム形状の変更などにより、特にフロア幅が大きく拡大されているのが見どころ。オプション設定というトノカバーは標準化をしてほしかったところだが、435lという容量は従来型の370lというデータを大きく凌ぐ。
(レポート=河村康彦 フォト=平野 陽/神村 聖)
<モーターファン別冊・日産リーフのすべて「Driving Impression」より抜粋>
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ニューモデル速報 Vol.560 新型リーフのすべて
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