F1史上初のナイトウエットレースでハミルトン優勝!現地で感じたダニエル・リカルドの人気の理由とは?【2017年F1第14戦シンガポールGP】

レースが順調に進むなか、最初に動いたのがケビン・マグヌッセン(ハース)。24周目にウルトラソフトに履き替えました。その後、他のチームもぞくぞくとドライタイヤに交換していきます。

今年のシンガポールGP、これで終わりではありません。まだ波乱の展開が待ち受けていたのです。

37周目マーカス・エリクソン(ザウバー)がターン12の出口でスピンしアンダーソンブリッジ内で左リヤをぶつけストップ。3度目のセーフティカーが導入されました。

この時トップのハミルトンと2番手のリカルドの差は約10秒あったのですが、セーフティカー導入により今まで築き上げてきたギャップがゼロになってしまいました。さすがのハミルトンも「何でまたセーフティカーが入っているんだよ。自分にとっては良くないよ」と無線で訴え、セーフティカーラン中に両手を上げガッカリポーズ。

ウエットコンディションによるスローペース、3度のセーフティカー導入により、全周回数をこなすとスタートから制限時間の2時間を超えてしまうため、残り29分30秒とカウントダウンが始まりました。

2分30秒後、レースが再開。大きな順位変動はありません。

全20台中12台が完走というサバイバルレースを制したのは、常に冷静な走りで首位を守ってきたハミルトンでした。キャリア60勝目、シンガポールGPでは3回目の勝利となりました。

シンガポールはオーストラリアと近いということもあり、オーストラリア出身のリカルドファンがたくさん訪れていました。優勝したのはハミルトンなのに、リカルドが登場するとまるで優勝したかのように大きな歓声があがりました。それに合わせてリカルドはファンにウェーブさせるなど、とっても嬉しそう。

するとファンが声を揃えて「シューイ!シューイ!」と叫び出したではありませんか! 生シューイが見られる!と楽しみにしていたのですが、残念ながら披露してくれませんでした(涙)。

シンガポールはドライバーが徒歩でサーキットにやってくるので、その道中にいればドライバーに会う事ができます。決勝日近くになるとファンの間を足早に通り過ぎていくドライバーもいるなか、リカルドは一人ひとり笑顔で対応しているのが印象的でした。オーストラリア出身だから、という理由だけでなくリカルドの人柄でこんなにもたくさんのファンが集まるのだなと、改めて感じた表彰式でした。

素晴らしい走りでポールポジションを獲得したベッテルに対し、5番手スタートだったハミルトン。今回はベッテルに有利な展開になると思っていたのですが、誰がこの結末を予想できたでしょうか!

シンガポールGP終了後のドライバーズ・チャンピオンシップポイントはハミルトン263ポイント、ベッテル235ポイント。今シーズンの残りレースは後6戦。まだどうなるかは分かりませんが、この一戦がチャンピオンシップの結果を左右するレースの一つになったのではないかと思います。

ますます面白くなってきた今シーズンのF1から目が離せません!

シンガポールGPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。

順位/No./ドライバー/チーム
1/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/#3/ダニエル・リカルド/レッドブル
3/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
4/#55/カルロス・サインツJr/トロロッソ
5/#11/セルジオ・ペレス/フォースインディア
6/#30/ジョリオン・パーマー/ルノー
7/#2/ストフェル・バンドーン/マクラーレン
8/#18/ランス・ストロール/ウィリアムズ
9/#8/ロマン・グロージャン/ハース
10/#31/エステバン・オコン/フォースインディア

(yuri)

この記事の著者

yuri 近影

yuri

2006年のF1日本GPを観に行ってから、どっぷりF1&ジェンソン・バトンにはまってしまったF1女子。F1が大好きですが、車の運転は下手(小林編集長お墨付き)、メカニズムも苦手、だけどドライバーの知識と愛だけは自信あり! もっと気軽にF1を楽しんでもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちで執筆活動をしています。
趣味はバトンの追っかけと、F1海外観戦。現在は新米ママとして子育てに奮闘しながら、のんびり記事を更新中。あたたかーい目で見守っていただけると嬉しいです。
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