そして決勝スタート!フォーメーションラップ開始10分前から再び強く降り出した雨のため、5分前までにレインタイヤに再びチェンジ。これが功を奏して、トップグループのバトルに果敢にチャレンジしていく山内選手。
タイヤチョイスを失敗したGT500マシンをごぼう抜きにするGT300のトップ集団8台。序盤はこの8台がレースをリードしていきます。
序盤の4周目、GT500マシンでリアカウルが外れるというアクシデントのためにセーフティカー導入となりますがトップのアドヴァンテージが減っただけで、むしろ展開が有利になったSUBARU BRZ R&D SPORT。
総周回数81周、GT300では77〜78周程度になるだろうと予想されるSUGOの300km。雨の状況次第ではスリックタイヤに早く履き替えたいところですが、路面がなかなか乾かずに交換するタイミングを探るチームが多い中、35周目でもまだピットインを引張る姿勢のBRZは暫定ながら2位まで浮上していきます。
36周目にスリックタイヤを装着したGT500マシンがクラッシュ。再びSCが入ります。このSCが解除された瞬間には各マシンが一斉にピットインされることが予想され、渋滞を巻き起こす可能性も否めません。
この2度目のSCが解除された44周目、予想通り各チームがピットインをします。この周のピットインを避けて後続との差を広げ、迅速なピットワークで余裕を持って順位変更無しでピットをこなそうという判断がなされます。
そしていざピットインというそのタイミングで、なんと3度目のSC!ピットインを先延ばしにした上位陣と44周目にピットインした下位陣とのタイム差は帳消しに!
しかしピットインは義務である以上入らなくてはいけません。今回はレインからスリックへの4本交換ですが迅速なピット作業で交代した井口選手を送り出します。
下位に沈んでしまったとはいえこれで勝負を捨てたわけではありません。10位以内に入ってポイントをゲットするという、シリーズ全体を通した勝負が残っています。
そして9位でチェッカーを受けたSUBARU BRZ R&D SPORT。少ないながらもポイントを伸ばしドライバーポイントで17ポイントの6位。
この先の後半4戦次第ではまだまだチャンピオンが狙えるところにいます。これだけ運の要素の強いレースでポイントが獲れたということは、マシンもチームも本当に速くなっている証ではないでしょうか。
次戦の富士300kmは、2014年に井口選手がSUBARUで初めて優勝した記念すべきレース。そんな次戦を期待せずにはいられません。
(写真・文:松永和浩)