理屈抜きのカッコよさには理由がある!? トヨタ・カムリが目指したデザインの調和とは?

「理屈抜きにカッコいいセダンを作りたかった」という新型カムリ。低く幅広いボディに引かれた何本ものラインが、その勢いを作ってるかのようです。今回はその「線」に込められた意図をデザイナーに聞きました。

── まず、フロントフェイスから伺います。ランプ内のグラフィックやアンダーグリルでは多層的な表現が印象的ですが、ここまで多くの線を引いた意図は?

「TNGAで実現した低重心をより強調するため、セダンでは例外的に大きなグリルを全幅いっぱいに置きました。細いラインは、その大きな塊に手の込んだ細工をすることで、カムリの持つ車格感を表現するためなんです」

── ボンネットには4本のラインが引かれていますが、左右の2本だけでは足りませんか?

「今回、先代比でフードを40ミリ下げたのですが、エンジンとの間隔は非常にタイトですから、両端のラインだけだと中央に張りが出せずペナペナになってしまう。そこでセンターにブレークラインを引いて立体感を出しているんですね」

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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