開発陣は、高性能ハイブリッドやベンツ製ターボエンジン、最新技術のワイヤー式ステアリング、そして大柄な4ドアボディにインフィニティエンブレム等、スカイラインのプレミアム化を実現するためにあらゆる手立てを打ってきました。V37スカイラインのプレミアム化では、歴代スカイラインとは別路線へシフトしたことが明確に感じられます。
ただ本来なら、新たなプレミアムスポーツセダンとしての性能や仕上がりは、もっと高く評価されて良いはずです。新たな企画が裏目裏目に感じるのは、世代毎に育んだスカイラインのブランド力が、良い意味でも悪い意味でも強すぎるせいかもしれません。
これまで自動車業界では、幾多のブランドが生まれては消えていきました。13代60年に渡るスカイラインの歴史を振り返ってきて、社会や嗜好、技術といった時代背景の目まぐるしい移り変わりの中で、消費者に愛され続けながらブランドを継承することの難しさとその尊さを、あらためて実感した次第です。
(星崎 俊浩)
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