「アプライドD」へ進化し、乗り心地を改善したスポーツツアラー「スバル・レヴォーグ」の走り

残念ながら変更点の多い1.6リッター車には乗ることができませんでしたが、2.0リッター車をクローズドコースで試乗したところ、もっとも印象的だったのは静粛性の向上でした。

ステーションワゴンというボディ形状から、どうしてもラゲッジルーム由来のノイズは気になる傾向にありますが、ドアガラスやリアゲートガラスの板厚アップやリアドア用ウェザーストリップの二重化、荷室周りの吸音材追加といった変更により、キャビンの静粛性はワンランク上がったように感じます。

ストロークを稼いだサスペンションのおかげもあって、タイヤが路面を捉えている領域が長く、ポンポンと跳ねるようなノイズが入ってくるケースもかなり減っています。また、新制御を与えられたパワーステアリングは、速度域に関わらずスムースネスを増しているように感じます。けっして劇的に改善したというわけではありませんが、旧型オーナーが乗り比べればすぐに違いを感じられる程度には進化しているといえそうです。

そのほか、コクピットではフル乗車や荷物満載状態でも後方視界を確保する「スマートリヤビューミラー」が新設定されたのもアプライドDの特徴。リアゲートに置かれたカメラからの映像をルームミラー部分に映し出すというもので、通常のミラーでは死角になる部分もカバーしてくれます。

新採用されたAVH(オートビークルホールド)は停止時にブレーキペダルから足を離しても停止状態を維持してくれるもの。いまや、プレミアムクラスには必須といえる機能をマイナーチェンジによって手に入れたというわけです。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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